crass
電気もつけないまま
何もない部屋の
テーブルもない部屋の中央で
ずっと、キスをした。

立ってられなくなって
私が床に座り込んでも、
支えるように蒼輔さんも
その場に座り込んだときに…

私はそっと蒼輔さんを
押し倒した。

「恋人がいるのに…。」
と蒼輔さんの柔らかい唇を
少し噛むようにキスをして
私は…私の身体だけを起こして
離れた。

倒れたままの蒼輔さんは
冷蔵庫に向かう私を目で追って
こちらを向いていた。

「蒼輔さん、水、飲む?」
ペットボトルを持って振り返ると
こちらを黙ってみていた。

…水のペットボトルを持ったまま
横たわる蒼輔さんの横で…
腰掛けて、蒼輔さんの髪に触れた。
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