crass
オフィスビルの地下駐車場は
営業社員の駐車場で
私は、久しぶりに下りた。

地下の駐車場は薄暗くて…
蒼輔さんの黒い車に
少しだけぶつかりそうになった。

車体の高い車に乗り込むと
優しい香りがした。

「亜輝、仕事頑張ってるなぁ。」

「仕事が増えるんです。」

静かに車が動き出した。
薄暗い地下の駐車場を通って
少しだけ明るい道路に出た。

「頼られてるんだよ。亜輝。」

赤信号で車が停まっても
そこからは会話があまりなく
丁寧に道案内だけをしながら、
走ってもらった。

地下鉄でひとりで帰るよりも
随分と早くて、
あっという間に
私の家のあるマンションに着いた。
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