二次元の外には、予想外すぎる甘々懐妊が待っていました
「急きょではございましたが、皆様に集まりいただき、本当にありがとうございます」
「あの、先生?遺産相続についてもう1度協議していただけるのはありがたいですが、でも一体どういうことなのでしょう?」
女狐さんが、今にも消えそうな柔らかい声で、涼に尋ねた。
「そ、そそそそうですよ……お、俺たち……もうこれ以上争うことの方が……ちょっ……と……」
(あ、めっちゃ親近感……)
香澄は、思わず顔を上げて子狸さんを見た。
話し方が自分と似ているな、と思ったので、子狸さんに興味を持った。どんな人なんだろうと。
目が合うと、子狸さんのメガネが急に曇り、さらに明後日の方向を向いてしまった。
(ますます親近感……)
それから、もうちょっとだけ全身を眺めた……その時だった。
「ふぉっ!?」
香澄は、思わず変な声をあげてしまった。
子狸さんには似合わないスーツのポケットに、香澄もこっそりハマり始めていた有名ソシャゲのキャラグッズとして発売されていたペンが刺さっているのを見つけてしまったのだ。
(お……推しキャラ聞きたい……)
「あの……香澄さん?俺に何か?」
子狸さんが怪訝そうに反応したことで、涼も気づいてしまった。
香澄の目が、キラキラと輝き始めたという異変に。
「そそそそそのペン……」
香澄は、ペンを指差しながら、推しを聞き出したいという欲望を燃料にして、頑張って子狸さんに話しかけた。
「え……」
「あの神ゲームのキャラの……ですよね……」
「え!?香澄さんももしかして……」
「そうなのです!」
この瞬間、涼がどんな顔をしたのか、香澄は知らないまま、テンションを爆上げさせた。
「うわー奇遇だな、俺の周りにあのゲームやってる人いなくて……。後でアカウント教えてよ」
「もちのろんです。私陰キャだからフレンドなかなかできなくて」
「わかるー俺もなんだよね。あ、ツイツイはやってる?」
「やってます」
「よ、よよよければ垢も……」
「え、FFですか!?うわっうれしい……」
あれよあれよと、子狸さんと香澄は意気投合してしまった。
こんなに怯えずに話ができたのは、香澄にとっては拓人以来だった。
「じゃ、じゃあ今」
香澄がスマホを出そうとした時、隣から咳払いが聞こえた。
涼が、香澄の母親と同じか、それ以上に不機嫌な顔で香澄を見ていた。
「…………香澄…………その話は、申し訳ないけど今も、やめてくれるかな?」
「え、でも」
「いいから」
ど迫力な顔で圧をかけられ、香澄はしゅんっと縮こまった。
香澄はその時俯いてしまったので、涼がどれだけ胸を痛めたような顔をしたのかも、香澄は知らない。
涼は、ごほんともう一回わざとらしく咳払いをして、状況を無理やり立て直した。
自分がこれから話す話題に、もっとも相応しい空気感にするために。
「皆さんに1つ確認させていただければと思ってましてね…………被相続人様の今回の、本当の死因について」
「あの、先生?遺産相続についてもう1度協議していただけるのはありがたいですが、でも一体どういうことなのでしょう?」
女狐さんが、今にも消えそうな柔らかい声で、涼に尋ねた。
「そ、そそそそうですよ……お、俺たち……もうこれ以上争うことの方が……ちょっ……と……」
(あ、めっちゃ親近感……)
香澄は、思わず顔を上げて子狸さんを見た。
話し方が自分と似ているな、と思ったので、子狸さんに興味を持った。どんな人なんだろうと。
目が合うと、子狸さんのメガネが急に曇り、さらに明後日の方向を向いてしまった。
(ますます親近感……)
それから、もうちょっとだけ全身を眺めた……その時だった。
「ふぉっ!?」
香澄は、思わず変な声をあげてしまった。
子狸さんには似合わないスーツのポケットに、香澄もこっそりハマり始めていた有名ソシャゲのキャラグッズとして発売されていたペンが刺さっているのを見つけてしまったのだ。
(お……推しキャラ聞きたい……)
「あの……香澄さん?俺に何か?」
子狸さんが怪訝そうに反応したことで、涼も気づいてしまった。
香澄の目が、キラキラと輝き始めたという異変に。
「そそそそそのペン……」
香澄は、ペンを指差しながら、推しを聞き出したいという欲望を燃料にして、頑張って子狸さんに話しかけた。
「え……」
「あの神ゲームのキャラの……ですよね……」
「え!?香澄さんももしかして……」
「そうなのです!」
この瞬間、涼がどんな顔をしたのか、香澄は知らないまま、テンションを爆上げさせた。
「うわー奇遇だな、俺の周りにあのゲームやってる人いなくて……。後でアカウント教えてよ」
「もちのろんです。私陰キャだからフレンドなかなかできなくて」
「わかるー俺もなんだよね。あ、ツイツイはやってる?」
「やってます」
「よ、よよよければ垢も……」
「え、FFですか!?うわっうれしい……」
あれよあれよと、子狸さんと香澄は意気投合してしまった。
こんなに怯えずに話ができたのは、香澄にとっては拓人以来だった。
「じゃ、じゃあ今」
香澄がスマホを出そうとした時、隣から咳払いが聞こえた。
涼が、香澄の母親と同じか、それ以上に不機嫌な顔で香澄を見ていた。
「…………香澄…………その話は、申し訳ないけど今も、やめてくれるかな?」
「え、でも」
「いいから」
ど迫力な顔で圧をかけられ、香澄はしゅんっと縮こまった。
香澄はその時俯いてしまったので、涼がどれだけ胸を痛めたような顔をしたのかも、香澄は知らない。
涼は、ごほんともう一回わざとらしく咳払いをして、状況を無理やり立て直した。
自分がこれから話す話題に、もっとも相応しい空気感にするために。
「皆さんに1つ確認させていただければと思ってましてね…………被相続人様の今回の、本当の死因について」