90日のシンデレラ
アイスを頬張りながら、瑠樹が静かに話しだす。
「ミーティングは一回だけだったけど、真紘はあの長丁場の指導に最後までついてこれた。熱心にメモを取っていたし、後日のレポートにミーティング内容がきちんとすべて反映されていた。最初のレポートは取ってつけたようなぬるいものだったけど、俺の指摘で引き締まったものになった」
(え?)
なんと、再提出になったあのレポートは合格点をもらえていた! その前の提出分が手抜き作成であることを見破られていたけれど。
マダム山形のミニ情報から、真紘は自分のレポートに自信がなくなった。そのレポートは再々提出にならなかったので、何とかあれで認めてもらえたのだとばかり思っていた。だが実際は逆だったのだ。
「その後は書面だけのやり取りだったけど、いつも満足いくものを真紘は上げてくれていたよ。だから別個にミーティングを行うまでもないという認識だったんだけど」
これにも真紘はびっくりする。いつの間にか、真紘の目は大きくなっていた。
(それって、それって、かなり優秀だったってこと?)
(出来が悪くて見捨てられたんじゃなかったんだ)
真紘は意識して瑠樹を避けていたのだが、瑠樹のほうとしては不要だったとわかる。
瑠樹が忙しいのは、間借りさせているのでよく知っている。深夜と朝の時間帯だけにしか、瑠樹は真紘の借り上げ社宅へ現れない。移動時間のすき間を狙って、仮眠と着替えをする。思い起こせば、瑠樹がくつろいでいる姿など、真紘は一度もみたことがなかった。そんなハードワーカーの瑠樹にすれば、課題をスムーズに進める部下はありがたい。
瑠樹は一度デザートスプーンを置き、肘をついて真紘のほうへ身を乗り出した。角を挟んで座っているふたりの距離がぐっと縮まった。
「ミーティングは一回だけだったけど、真紘はあの長丁場の指導に最後までついてこれた。熱心にメモを取っていたし、後日のレポートにミーティング内容がきちんとすべて反映されていた。最初のレポートは取ってつけたようなぬるいものだったけど、俺の指摘で引き締まったものになった」
(え?)
なんと、再提出になったあのレポートは合格点をもらえていた! その前の提出分が手抜き作成であることを見破られていたけれど。
マダム山形のミニ情報から、真紘は自分のレポートに自信がなくなった。そのレポートは再々提出にならなかったので、何とかあれで認めてもらえたのだとばかり思っていた。だが実際は逆だったのだ。
「その後は書面だけのやり取りだったけど、いつも満足いくものを真紘は上げてくれていたよ。だから別個にミーティングを行うまでもないという認識だったんだけど」
これにも真紘はびっくりする。いつの間にか、真紘の目は大きくなっていた。
(それって、それって、かなり優秀だったってこと?)
(出来が悪くて見捨てられたんじゃなかったんだ)
真紘は意識して瑠樹を避けていたのだが、瑠樹のほうとしては不要だったとわかる。
瑠樹が忙しいのは、間借りさせているのでよく知っている。深夜と朝の時間帯だけにしか、瑠樹は真紘の借り上げ社宅へ現れない。移動時間のすき間を狙って、仮眠と着替えをする。思い起こせば、瑠樹がくつろいでいる姿など、真紘は一度もみたことがなかった。そんなハードワーカーの瑠樹にすれば、課題をスムーズに進める部下はありがたい。
瑠樹は一度デザートスプーンを置き、肘をついて真紘のほうへ身を乗り出した。角を挟んで座っているふたりの距離がぐっと縮まった。