90日のシンデレラ
 「カノジョに悪いっていうのは、今までにはいないタイプだった。その点でも真紘は面白い」
 「は?」
 「だって女ってさぁ、カノジョがいようがいまいが隙さえあれば我こそはってタイプ、多いじゃん。真紘には一切そういうところがなくて、ホント、面白い」
 「はぁ?」

 最初は仕事を褒めてくれていたのに、褒める内容が違ってきている。いつの間にか、恋愛議論に突入だ。
 おちゃらけた言い方をして瑠樹はキス未遂事件を分析する。真紘の貞操の固さを褒めているようにきこえなくもない。これでも真紘のことを元気づけようとしているつもりのようなのだが……

 「そういうわけで、俺としてはもっといろいろな真紘をみていたい」
 「はい?」
 「でも真紘は真面目だから、お試し(・・・)なんて付き合いはできないだろ。だから、『俺はシーナちゃんのカレシ、シーナちゃんは俺のカノジョ』にしたんだけど、これでいい?」
 「え? いいといわれても……」

 話の流れが、はぐらかされていないが大いに回り道させられたような気がする。レポートのイメージ像と作成本人像の不一致からはじまり、真紘のことを真面目な人から面白い人となり、最後には面白いからカノジョにするという終着点にたどり着いていた。 
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