90日のシンデレラ
8*悪魔はやはり悪魔だった
すっかりきれいになったダイニングテーブルの上に、ノートPCを広げる。
美味しい食事のあとは、ゆっくりと推しの動画配信を楽しみたいところだが、そうはいかない。なぜなら真紘には、瑠樹から返却されたレポートがあるから。
付箋を貼られたチェック項目に、真紘は真剣な表情で目を通した。
金曜の夜のドライブからはじまって、今の土曜の夜までの丸一日の間、ジェットコースターのような勢いで真紘の周りが変化した。真紘がただの部下からカノジョに昇格した一日だった。
瑠樹からは、「でも真紘は真面目だから、お試しなんて付き合いはできないだろ。だから、『俺はシーナちゃんのカレシ、シーナちゃんは俺のカノジョ』にしたんだけど、これでいい?」とチャラく再認されて、チャラいけど彼の本心は嘘でないのだと信じることにした。
それはそれでいいものの、現実は現実で厳しいものがある。
普通の恋愛なら、初デートにさらに甘い展開を期待するものだけど、これも真紘の思考の斜め上をいった。
赤いワンピースをもらい、一緒に食事をし、手をつないでテーラーを去る。着替える前の服を一式、例の無難なスカートとカットソーのみならずここには靴も含めれるのだが、を詰め込んだショップの大きな紙袋を真紘が手にしていれば、瑠樹はいう。
「一度、帰るか?」
瑠樹のほうはオーダーの確認だけなので、両手は空いたまま。対して真紘は一泊旅行にいくかのような荷物である。
「靴も慣れてないから、疲れるだろう」
そう靴とは、あのワンピースに合わせてショップスタッフが見繕ってくれたもの。もともと履いていた靴は服と同様の無難なローヒールで、色気も何もない。まったくワンピースに似合わない代物だったので、姿見の前に立つ際にスタッフが「こんな感じが素敵かも」とサンダルを出してきた。そのままこれもワンピースと一緒に真紘へのプレゼントとなったのである。
美味しい食事のあとは、ゆっくりと推しの動画配信を楽しみたいところだが、そうはいかない。なぜなら真紘には、瑠樹から返却されたレポートがあるから。
付箋を貼られたチェック項目に、真紘は真剣な表情で目を通した。
金曜の夜のドライブからはじまって、今の土曜の夜までの丸一日の間、ジェットコースターのような勢いで真紘の周りが変化した。真紘がただの部下からカノジョに昇格した一日だった。
瑠樹からは、「でも真紘は真面目だから、お試しなんて付き合いはできないだろ。だから、『俺はシーナちゃんのカレシ、シーナちゃんは俺のカノジョ』にしたんだけど、これでいい?」とチャラく再認されて、チャラいけど彼の本心は嘘でないのだと信じることにした。
それはそれでいいものの、現実は現実で厳しいものがある。
普通の恋愛なら、初デートにさらに甘い展開を期待するものだけど、これも真紘の思考の斜め上をいった。
赤いワンピースをもらい、一緒に食事をし、手をつないでテーラーを去る。着替える前の服を一式、例の無難なスカートとカットソーのみならずここには靴も含めれるのだが、を詰め込んだショップの大きな紙袋を真紘が手にしていれば、瑠樹はいう。
「一度、帰るか?」
瑠樹のほうはオーダーの確認だけなので、両手は空いたまま。対して真紘は一泊旅行にいくかのような荷物である。
「靴も慣れてないから、疲れるだろう」
そう靴とは、あのワンピースに合わせてショップスタッフが見繕ってくれたもの。もともと履いていた靴は服と同様の無難なローヒールで、色気も何もない。まったくワンピースに似合わない代物だったので、姿見の前に立つ際にスタッフが「こんな感じが素敵かも」とサンダルを出してきた。そのままこれもワンピースと一緒に真紘へのプレゼントとなったのである。