90日のシンデレラ
茉莉の母は、目の前にいる良子夫人と友人である。幼い頃、母に連れられて、今いるこの屋敷に遊びにきたことがある。そのときもこの良子夫人からお菓子をもらい、瑠樹と遊んだらしいのだが、そのあたりの記憶はおぼつかない。
のちに父の都合で茉莉は、遠くに越した。あれから二十年以上たっている。茉莉と瑠樹が成長していれば、この屋敷だってリフォームを繰り返し、当時とは造りが変わっている。けれど、どこか懐かしい匂いが残っている。
「しかしまぁ、瑠樹さんが業務でやたらと椎名さんに構うから、びっくりしていたんですけど……まさか本当に結婚してしまうなんて、会長と奥様の結婚の再現をみているようでしたよ」
そう良子夫人に告げるのは、山形聡子。そう彼女は、業務コンペ室の管理人のあのマダム山形である。
数ヶ月前、事業継承の練習として、父の北峰誠二は瑠樹に業務改善コンペの責任者を命じた。そのアシスタントとして、父はかつての自分の秘書であったマダム山形を充てた。父としては、瑠樹に彼女から管理の仕方のイロハを教えてもらえぐらいであった。
そんな業務命令を受けて、マダム山形はあのコンペ部屋にいた。
コンペ室に腰を据えて数日で、彼女は悟る。瑠樹が結婚適齢期であれば、あれこれ秋波を送ってくる女子の数が半端ないことを。
そりゃそうだ、ただでさえ瑠樹は大企業の御曹司なのだから。
さらに社の人間は誰だって、知っている。まだ独身のイケメン御曹司が、特定のカノジョもなしで仕事三昧の日々を送っていることを。
この現状から、「息子を守ってほしいということなんだろうな~」とマダム山形はのん気に思っていた。
のちに父の都合で茉莉は、遠くに越した。あれから二十年以上たっている。茉莉と瑠樹が成長していれば、この屋敷だってリフォームを繰り返し、当時とは造りが変わっている。けれど、どこか懐かしい匂いが残っている。
「しかしまぁ、瑠樹さんが業務でやたらと椎名さんに構うから、びっくりしていたんですけど……まさか本当に結婚してしまうなんて、会長と奥様の結婚の再現をみているようでしたよ」
そう良子夫人に告げるのは、山形聡子。そう彼女は、業務コンペ室の管理人のあのマダム山形である。
数ヶ月前、事業継承の練習として、父の北峰誠二は瑠樹に業務改善コンペの責任者を命じた。そのアシスタントとして、父はかつての自分の秘書であったマダム山形を充てた。父としては、瑠樹に彼女から管理の仕方のイロハを教えてもらえぐらいであった。
そんな業務命令を受けて、マダム山形はあのコンペ部屋にいた。
コンペ室に腰を据えて数日で、彼女は悟る。瑠樹が結婚適齢期であれば、あれこれ秋波を送ってくる女子の数が半端ないことを。
そりゃそうだ、ただでさえ瑠樹は大企業の御曹司なのだから。
さらに社の人間は誰だって、知っている。まだ独身のイケメン御曹司が、特定のカノジョもなしで仕事三昧の日々を送っていることを。
この現状から、「息子を守ってほしいということなんだろうな~」とマダム山形はのん気に思っていた。