やっぱり…キスだけでは終われない

箱から出てきたドレスはシルクで作られたAラインのロングトレーン。このロングトレーンはチャペルのヴァージンロードの祭壇までの長さを計算してくれているらしい。しかも披露宴では邪魔にならないように取り外しができるように作られていた。レースも綺麗ですごく手の込んだもので、アヤちゃんのこだわりが随所に感じられた。

「うわ…素敵。このレースも本当に綺麗…。アヤちゃん、本当にありがとう」

アヤちゃんから送られた素敵なドレスを見て、少し嬉しくなるが心に湧いた不安は消えない。一生懸命、笑顔を作る。

「いいでしょ。このレースはすべてベルギーレースなんだ」

「ベルギーのレースって高かったでしょう?」

「そこは…ほら、カナを誰よりも素敵な花嫁にしたいあの人が協力してくれたから。心配しないで」

「えっ?柾樹さんが…いつの間に?ドレスのことなんて何も言ってなかったのに…」

「じゃあ、早速着てみて。で、彼は今日は来ないの?」

背中を押されるようにしてフィッティングルームに入る。一人では大変なのでアヤちゃんが手伝ってくれた。
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