やっぱり…キスだけでは終われない

「アヤちゃんには二人で話し合うように言われていたの。でも、毎日夜遅くまで仕事で疲れてる柾樹にこんなこと話せなかったの…」

「もっと普段から遠慮しないでいろいろなことを話してほしい。カナのわがままならどんなことでも受け止めるから」

「でも…」

「黙って我慢して、それで突然いなくなられる方が堪える。それが何よりも辛いって知っているから」

いつもの自信溢れる様子からは想像できない悲痛に歪んだ顔を見て、私の胸も痛くなった。

そして、柾樹にこんな顔をさせているのが私なんだと思い、申し訳なさと愛しさが湧いてくる。私は柾樹の頬に手を添えて、初めて自分から彼にキスをした。

柾樹は驚いたのか一瞬目を見開き、「…カナ?」と小さな声で名前を呼んだと思ったら、少し耳を赤くして笑顔になる。

すぐに主導権を奪ってキスを長く深いものに変えていった。
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