やっぱり…キスだけでは終われない
ウェディングドレスを着て準備の整った私のところにアヤちゃんと修一さんが来てくれた。二人には昨夜もお世話になった。
「カナ。綺麗よ。やっぱり花嫁さんには笑顔が似合うわね」
「アヤちゃん。昨日も…いつも…本当にありがとう…」
アヤちゃんの安心したような顔を見たら、瞳が潤んできた。
「香苗さん。おめでとう。昨夜はどうなるかと思ったけど、吹っ切れたみたいだね」
「修一さんにもお世話になりました。お陰様で…今日を迎えられました」
「でも、いつもと違う柾樹が見られて楽しかったよ」
二人と話しているとドアがノックされ、柾樹が顔を出した。なぜか彼はドアを開けたところで立ち止まっている。
「あ、柾樹。もう準備できたのね」
「あ、あぁ…」
ゆっくり歩を進めアヤちゃんたちに挨拶をしてから、私の前に立つ。
「カナ…。綺麗だ…。本当に…綺麗だ」
「柾樹。ありがとう…」
「彩未さん、修一。ありがとう。それと昨日も世話になったな」
「本当だよ。二人が無事に式をあげてくれるようで安心だよ。これでもさ、香苗さんを連れ出さなきゃいけないかと考えたら、胃が痛くなりそうだったんだよな」