やっぱり…キスだけでは終われない
「カナの両親は今ニュージーランドでしょう?一度家に帰ってパスポート取ってこないとね」
「えっ?ちょ、ちょっと待って。今日行くんですか?近所に行くように言わないでください」
「カナのお祖父さんにはもう結婚するって言ってあるし、それに両親に挨拶しないと同居も始められないし、婚姻届だって出せないでしょう」
「えぇ!祖父に何て言ったんですか?」
「カナと結婚させてください、って言ったよ」
「それで?祖父は許してくれてたんですか?」
「最終的に決めるのはカナだ、って言ってくれた。だから、昨夜、プロポーズを受けてくれた時点で反対されることはないよ」
「もう、とにかく何もかもが早すぎです!私はやっと柾樹と付き合うことになったと思ってるところなんです。プ…プロポーズはお受けしましたけど…」
あまりのスピードに気持ちがついていかなくて、だんだんと声が小さくなり、俯いてしまう。
「カナ…?」
柾樹は私の様子を探り、不安げな顔で名前を呼び、私の正面に膝をつく。私は今の素直な気持ちを伝えなければと思い顔を上げ声を出す。