やっぱり…キスだけでは終われない
「気持ちは変わらないです。こんな私が結婚するなら…柾樹しかいないです。でも、急すぎて…もう少しゆっくり二人の関係を進めていけたらいいかなって…ダメですか?」
柾樹は再びがっくりと頭を垂らし、少しだけ顔をあげ上目遣いで答えてくれる。
「…ダメ…じゃない…。でも、ゆっくりって…。そうか…。はぁ…」
「柾樹のことは好き…です...よ。でも、私、何も知りません」
「何もって何を?」
「柾樹がどんな人なのかとか、年齢だって知りません。それなのに、いきなり婚姻届とか書けないです」
「それじゃあ、今日は1日俺と一緒に過ごして、俺のこともっと知ってくれる?俺にももっといろんなカナを見せて…」
柾樹は頬に手を添え、顔を傾けながら近づけてくる。
心臓がドクンという音をたてたと思ったら、彼の唇が私のそれに触れた。彼は何度も優しく唇に触れるだけのキスを繰り返していた。