Restart〜二度目の恋もきみと
そして、すべてを洗い終えた私は
「まだ目を瞑っててくださいよ?」
と、竜海さんに念を押しながら湯船に
足を沈めた。

私が竜海さんの前に腰を下ろすと
竜海さんは私の了解を得る前に
背後からギュッと私を抱き締めた。

「竜海さんっ」

「待ちくたびれよ。逆に桜良に癒してもらわないと」

竜海さんはそう言って私の首元に顔を埋めてくる。

「竜海さんっくすぐったい」

私は首元に竜海さんの息がかかるたびにこそばゆくて体をくねらせて抵抗する。

竜海さんは嫌がる私が嬉しいのか
フフっと笑みを浮かべている。

私が諦めて抵抗を止めると
「で?桜良は何を悩んでいたの?」
優しい声色で問いかけてきた。
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