Restart〜二度目の恋もきみと
「竜海さん．．．」

「別れてた間も、心はいつも桜良に語り掛けていたんだ。
風邪ひいてないか？とか、ちゃんとご飯食べてるか？とか。
寝ていても無意識に誰もいない隣に手を伸ばしてた．．．
もう、桜良のいない世界なんて想像できないよ。」

「竜海さん．．．同じですね．．．
私も、ずっと竜海さんに語り掛けてたんですよ。
ちゃんと朝ご飯食べてますか？って．．
コーヒーだけで済ませてませんか？って．．．」

私の言葉に竜海さんは苦笑いしながら
「桜良にはすべてお見通しみたいだね」と呟いた。

そして「これからもずっと隣で僕の手を握っていてくれるかな？」
竜海さんは祈るように問いかけた。

私は涙を浮かべながらこくりと頷くと
「もちろんです。
私だって竜海さんのいない世界なんて寂しくて考えたくありません」
竜海さんに向かって微笑んだ。

「今度はこの手を絶対に離したりなんかしないから．．．約束するよ」

私の瞳から涙がこぼれ落ちていく。

ただ手を繋いでるだけなのに
そこから伝わる温もりが私を幸せに包んでくれる。

それから、私たちは世の中が寝静まった街の中で二人だけの時間を過ごした。
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