桜のティアラ〜はじまりの六日間〜
 センキューととりあえず笑顔で応えたものの、美桜はこの状況に戸惑いを隠せない。

 (なんだろう?着替える…。まさかあのドレスに?)
 
 とにかくここで固まっていても仕方がない。
 (シャワーを浴びてさっぱりしよう。うん)

 美桜は着ていた服を脱いで置いてあったカゴに入れると、タオルを手に部屋を出た。

 ステンドグラスのこの大きな扉がシャワールームに繋がっているとは到底思えないが、ここしか考えられない。

 美桜は意を決して扉の前に立った。

 よく見るとスライド式らしく、タッチすれば自動で開くものらしい。

 (なんだか重厚な感じの扉だけど、案外簡単に開くのね)

 軽くセンサー部分に触れ、扉が開くのを待ってから顔を上げた美桜は、目の前に広がる光景にまたしても固まった。
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