最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「あれ〜いたの?気づかなかったよ〜」
「……どーも」
笑いながら手を振る純也先輩を前にしても、生吹くんは気を緩めなかった。
相手が分かっても尚、警戒心を剝き出しにしている。
……ん?あれ?
「い、生吹くん?Lunaじゃなくて、純也先輩だよ?」
だから、もうそんなに警戒しなくていいんじゃ――?
という意味を込めて言う。
だけど生吹くんは「そうだね」と頷いた後に、
「俺たちの敵だね」
サラッと、そう言ってのけた。
「ちょっとちょっと!
何言ってんのーお前~!」
純也先輩は昨日は物静かな感じだったけど、今日はいつもの調子だ。
そのことに、安心感を覚える。