俺達の笑顔
由美の腕を掴んだ。

抵抗しない由美。

抵抗していないのをいいことに、二人きりになれる場所を考えた。


…家だ。

俺の家だ。


由美の腕を掴んだまま、駐車場に向かった。



「乗って」


水族館のデートの時みたいに、助手席のドアを開けて乗るように促した。


ここでも抵抗しないんだ…

嫌なら…俺のことを嫌いなら抵抗するはずじゃないのか?

抵抗どころか俺に従っている由美を見て自信を持ってしまう俺は異常か?


とにかく…由美の気が変わらないうちに早く話し合おう。

急いでエンジンをかけて、家に向かった。
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