春の花咲く月夜には
「あの、すみません」
「はい?」
「これを、『T's Rocket』のギターの方に渡しておいてもらいたいんですが・・・」
チケット代を入れた薄桃色の封筒を差し出すと、男性は考えるように首を傾げた。
「サクヤですよね?直接じゃなくていいんすか。出待ちしてれば会って渡せると思うけど」
「・・・はい。・・・、あまり、時間がないので・・・」
「そうなんすか。んー・・・、わかりました。じゃ、お預かりしまーす」
そう言って封筒を受け取ると、男性はすぐにどこかにいなくなる。
スタッフとはいえ、人づてで渡すことに少し不安はあるけれど、出待ちをするということも、ちょっと不安だったから。
(熱烈なファンの子たちも、結構多そうだったしね・・・)
あまり深く考えず、チケット代は、家にあった薄桃色の封筒に入れてきた。
中には、お金と、お礼を書いた小さなメッセージカードしか入っていないけど、ファンレターだと思われてもおかしくはない。
新参者が出待ちして、ファンレター(じゃないけれど)を渡す行為に不安があるし、渡せるかどうかもわからない。
(ファン暗黙のルールとかあるかもしれないし・・・)
過去を含め、出待ちしたことなんて一度もなかった。
待つ場所や時間など、勝手がわからないだけに、色々と不安だったから。
(・・・まあ、とりあえずチケット代は渡したし・・・、そろそろドリンクもらいに行こうかな)
と、ドリンクバーを見てみると、さっきより列が長くなっている。
ドリンクスタッフは、常連のお客さんと話しながら接客をしているようなので、予想より進みが遅そうだった。
(・・・うーん・・・、もういいかっ。途中の自販機でなにか買って飲もう)
ドリンクチケットは無駄になってしまうけど、この調子だといつ順番が回ってくるかわからない。
それに、グループで来ている若いお客さんたちが多い中、慣れない場所でずっとひとりでいることも、居心地悪くなっていた。
「はい?」
「これを、『T's Rocket』のギターの方に渡しておいてもらいたいんですが・・・」
チケット代を入れた薄桃色の封筒を差し出すと、男性は考えるように首を傾げた。
「サクヤですよね?直接じゃなくていいんすか。出待ちしてれば会って渡せると思うけど」
「・・・はい。・・・、あまり、時間がないので・・・」
「そうなんすか。んー・・・、わかりました。じゃ、お預かりしまーす」
そう言って封筒を受け取ると、男性はすぐにどこかにいなくなる。
スタッフとはいえ、人づてで渡すことに少し不安はあるけれど、出待ちをするということも、ちょっと不安だったから。
(熱烈なファンの子たちも、結構多そうだったしね・・・)
あまり深く考えず、チケット代は、家にあった薄桃色の封筒に入れてきた。
中には、お金と、お礼を書いた小さなメッセージカードしか入っていないけど、ファンレターだと思われてもおかしくはない。
新参者が出待ちして、ファンレター(じゃないけれど)を渡す行為に不安があるし、渡せるかどうかもわからない。
(ファン暗黙のルールとかあるかもしれないし・・・)
過去を含め、出待ちしたことなんて一度もなかった。
待つ場所や時間など、勝手がわからないだけに、色々と不安だったから。
(・・・まあ、とりあえずチケット代は渡したし・・・、そろそろドリンクもらいに行こうかな)
と、ドリンクバーを見てみると、さっきより列が長くなっている。
ドリンクスタッフは、常連のお客さんと話しながら接客をしているようなので、予想より進みが遅そうだった。
(・・・うーん・・・、もういいかっ。途中の自販機でなにか買って飲もう)
ドリンクチケットは無駄になってしまうけど、この調子だといつ順番が回ってくるかわからない。
それに、グループで来ている若いお客さんたちが多い中、慣れない場所でずっとひとりでいることも、居心地悪くなっていた。