私ってそういうこと?/②発熱&開眼編
その9
夏美
室内に入ると、そこにはざっと14、5人の新規メンバーらしき女子が集まっていたわ
中には私服の子もいたけど、それぞれ違う制服着て、分散してイスに座ってて…
皆、一様に緊張の面持ちではある
そんな中、壁際で3、4人単位の二つのカタマリが立ち話をしていたわ
何やら、どちらもヒソヒソ話って感じで…
...
そして更にもう一人…
髪を染めて、まあ、見るからに不良っぽい外見で、この人、最初は立ち話に加わっていたんだけど…
しばらくして、席に掛けている一人の隣に座って、ここでもヒソヒソと何やら話しかけていたのよ
私はとりあえず、その二人からふたつ離れた席に付いたわ
そしたら、今度は私の隣に来て座ってね…
そんで隣から首を伸ばし、私の顔を覗き込むようにして話しかけてきた
...
「…初めまして。私、相模浦第2高の木戸真澄です。よろしくお願いしますね」
わー、相模浦第2って…、タッコと一緒でしょ!
「…滝が丘高校の相川夏美です。こちらこそ、よろしくお願いします」
まずはフツーに挨拶を交わしたわ
で…、さっそく来たのよね…
「…実はさ、いきなり初対面でアレだけど…、私、南玉2年の某先輩とは以前から懇意で、まあ、志も共通してるのよね。そんで、その先輩、今の南玉の勢いを外に向けてもどんどん拡大していこうって考えで燃えてるのよ」
「…」
それは、まさに直球で飛んできたのよ
まさか顔合わせ初日から、そんなコアな内部事情を明かされるなんて予想もしてなかったら、ちょっと面食らっちゃった…
...
「…それには1年も新入の段階から、しっかり気合い入れてもらって後押ししてもらわないとってことでね…。私も先輩の計画には賛同してるんで、同期のみんなにも早い段階から理解をとるようにと頼まれちゃってさ。詳しいことは後々にするけど、その辺含んどいてね。とにかく私たち1年も即戦力を期待されてるから、一緒にがんばりましょう!」
「ええ、お互いに…」
これがこれより以後、南玉内部で激しく対立していく相手、木戸真澄とのファーストコンタクトだったわ
...
それから数分後……
おお、来た来た…!
刃根達美が室内に入ってきたぞ
私は手を上げて呼び寄せようと思ったが、その前に木戸真澄が達美を捕らえたわ
何とも手早いわね、あの人…(苦笑)
...
「…おお、夏美ー!なんとか高校も入れたんで、一緒にやれるよー。へへ、改めてヨロシク!」
「私こそ、何分よろしくだよ。ああ、隣座ってよ。席は自由みたいだから…」
「うん。今日は顔見せってことらしいからね。何でも南玉からは、執行部3人の先輩だけだって聞いてるし」
そのようだ
今日はOG・OBの方々も見えないようだ
まさしく私たち新入メンバーが、現役トップの3人に顔見せってことね…
...
「…そんで、達美にもあの木戸さん、いきなり営業トークだった?」
「えっ…?ああ、じゃあ夏美もか…」
「うん、さっきね。そこに座って、ズバリ来たわ。どうやらここの全員に声掛けしてるみたいね」
「はは…、マメだよな…。でもよう、そういうの、まだ早いだろ?何しろ私らはさ、南玉の内部とかよく知らないんだし。実際、中入っていろいろ見てみないとな…。”その先輩”の考えだって、又聞きだけじゃあ、賛同も協力も即答できる訳ないわな」
「私もそう思う。まあ、彼女、今日はさらっと切り口だけで留めてたし、勧誘とかまではさすがに控えてるしね。でも正直、去年の秋から色々状況は変わってるってことなのかしら、やっぱり…」
「そうだな。例の南玉公認チーム規制の協定とかだって、その辺もさ、南玉内部ではいろんな受け止め方があるんだろうよ。とにかく、これからだよ」
確かに達美の言うとおりだ
すべては、これから…
これに尽きるわよ
そして、この後、”もう一つ”の出会いがあるのよね
夏美
室内に入ると、そこにはざっと14、5人の新規メンバーらしき女子が集まっていたわ
中には私服の子もいたけど、それぞれ違う制服着て、分散してイスに座ってて…
皆、一様に緊張の面持ちではある
そんな中、壁際で3、4人単位の二つのカタマリが立ち話をしていたわ
何やら、どちらもヒソヒソ話って感じで…
...
そして更にもう一人…
髪を染めて、まあ、見るからに不良っぽい外見で、この人、最初は立ち話に加わっていたんだけど…
しばらくして、席に掛けている一人の隣に座って、ここでもヒソヒソと何やら話しかけていたのよ
私はとりあえず、その二人からふたつ離れた席に付いたわ
そしたら、今度は私の隣に来て座ってね…
そんで隣から首を伸ばし、私の顔を覗き込むようにして話しかけてきた
...
「…初めまして。私、相模浦第2高の木戸真澄です。よろしくお願いしますね」
わー、相模浦第2って…、タッコと一緒でしょ!
「…滝が丘高校の相川夏美です。こちらこそ、よろしくお願いします」
まずはフツーに挨拶を交わしたわ
で…、さっそく来たのよね…
「…実はさ、いきなり初対面でアレだけど…、私、南玉2年の某先輩とは以前から懇意で、まあ、志も共通してるのよね。そんで、その先輩、今の南玉の勢いを外に向けてもどんどん拡大していこうって考えで燃えてるのよ」
「…」
それは、まさに直球で飛んできたのよ
まさか顔合わせ初日から、そんなコアな内部事情を明かされるなんて予想もしてなかったら、ちょっと面食らっちゃった…
...
「…それには1年も新入の段階から、しっかり気合い入れてもらって後押ししてもらわないとってことでね…。私も先輩の計画には賛同してるんで、同期のみんなにも早い段階から理解をとるようにと頼まれちゃってさ。詳しいことは後々にするけど、その辺含んどいてね。とにかく私たち1年も即戦力を期待されてるから、一緒にがんばりましょう!」
「ええ、お互いに…」
これがこれより以後、南玉内部で激しく対立していく相手、木戸真澄とのファーストコンタクトだったわ
...
それから数分後……
おお、来た来た…!
刃根達美が室内に入ってきたぞ
私は手を上げて呼び寄せようと思ったが、その前に木戸真澄が達美を捕らえたわ
何とも手早いわね、あの人…(苦笑)
...
「…おお、夏美ー!なんとか高校も入れたんで、一緒にやれるよー。へへ、改めてヨロシク!」
「私こそ、何分よろしくだよ。ああ、隣座ってよ。席は自由みたいだから…」
「うん。今日は顔見せってことらしいからね。何でも南玉からは、執行部3人の先輩だけだって聞いてるし」
そのようだ
今日はOG・OBの方々も見えないようだ
まさしく私たち新入メンバーが、現役トップの3人に顔見せってことね…
...
「…そんで、達美にもあの木戸さん、いきなり営業トークだった?」
「えっ…?ああ、じゃあ夏美もか…」
「うん、さっきね。そこに座って、ズバリ来たわ。どうやらここの全員に声掛けしてるみたいね」
「はは…、マメだよな…。でもよう、そういうの、まだ早いだろ?何しろ私らはさ、南玉の内部とかよく知らないんだし。実際、中入っていろいろ見てみないとな…。”その先輩”の考えだって、又聞きだけじゃあ、賛同も協力も即答できる訳ないわな」
「私もそう思う。まあ、彼女、今日はさらっと切り口だけで留めてたし、勧誘とかまではさすがに控えてるしね。でも正直、去年の秋から色々状況は変わってるってことなのかしら、やっぱり…」
「そうだな。例の南玉公認チーム規制の協定とかだって、その辺もさ、南玉内部ではいろんな受け止め方があるんだろうよ。とにかく、これからだよ」
確かに達美の言うとおりだ
すべては、これから…
これに尽きるわよ
そして、この後、”もう一つ”の出会いがあるのよね