私ってそういうこと?/②発熱&開眼編
その8
夏美


ここで、タバコを灰皿に押し消した甲斐先輩が改まって、私に結論を突き付けたわ

「あえて言うわ。夏美には汚れ役になってもらうこともあるかと思う。それでも、正統南玉連合の為にあなたのできること、やってもらえる?」

「喜んでやらせていただきます!」

「頼むわね…」

この日、南玉連合メンバーとしての私のやるべきことが確定した

と言っても、この時は自らの信条に従って”相手”とは遠慮なくぶつかるってことで理解してた…

...


その2週間後、1年全員が集った臨時幹部会では、例の条項に対する新入メンバーの意見聴取が行われた

「…ここは我々1年も先輩任せにせず、しっかりと自覚を持って目を見開けば明らかです。墨東会が系列グループから手を引いたと受取られた時点で、囲わてれた女の少数集団はその保護下からおっぽり出されて、パニック状態に陥った者たち同士で無益な衝突を繰り返してるんです」

真澄は弁が立つわ

正直、言葉の説得力では私の方が弱い…

まずはそこを自覚しなきゃ…


...


「…これを収める対策を、南玉連合が率先して講じなければなりません!その為に何が出来るか…、できるために何が必要か…。先般から北見先輩が提案された二つの選択肢はですよ、いずれも、紅組から同意が取れなかったってことですよね?」

今春加入したばかりの私と同級の木戸真澄は、先輩たちの前でもまったく臆せず持論を力強く訴えてる…

うーん、まあ、強敵だわね…

「…であればですよ!南玉としては、それに代わる手段もしくは、それを突破する何らかの手立てを早急に講じる必要があると、私は強く思います。なにしろこのままじっとでは、事態はさらに悪化ですよ。それは目に見えています!我々1年の新入メンバー21人はこの深刻な危機感から目を背けず、自分たちでも知恵を絞って何らかの方策を考えだすという気構えを持つべきだと思います!」

”パチパチパチ‥”

彼女の発言が終わると、大きな拍手が沸きおこったわ

”後見役”の北見先輩はいかにも嬉しそうな顔で、幹部席から盛んに真澄を称えるような拍手を続けていたし

...


「…じゃあ、他に1年で発言のある者は挙手してくれるかな」

”シーン…”

今発言に立った真澄以外の、私を含めた1年メンバー20人は誰も手を挙げなかった

甲斐先輩らが危惧されたのは、このことなんだろう

みんな、南玉に入ってからたかだか1か月ちょっとよ

こんな場で、いろんな諸事情が絡む重要事案にそう容易く意見など口にできないでしょ

でも、このまま誰も声を上げなければ、少なくとも真澄の主張に拒絶の姿勢までは示していないことになっちゃう

そうすれば、1年の中でも真澄の論調が軸にならざるを得ない

だからこそ、私なのか…

さあ、その私の役目よ

いくわよ、真澄…





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