私ってそういうこと?/②発熱&開眼編
その7
夏美



「第一、紅ちゃんとしても、墨東との友好関係は長いスパーンで捉えてわ。できるところから段階を踏んでという、緩やかなビジョンだったはずよ。ふふ…、南部くんらとは今までも時間をかけて土台を築いてきる訳から。所詮は砂垣がつまらないケチをつけてもよ、その及ぼす範囲は知れてるってことになるんだけどね、結局は」

「甲斐先輩…、では、今の南玉はしばらく状況を静観するというのが、現状、求められる姿勢なのですね?」

「そうなるよ、夏美。それなのに、一部の急進勢力がことさら過剰反応して大騒ぎしてね。…ただ、紅組と新生墨東との蜜月には少なからず不信感が生まれてるし、すぐには拭えないようでね。だからこそ、状況の静観を要するのよ」

私は盛んに頷いていたわ

しかし、現実に南玉の急進派はそうは捉えていないということなのか…

「…まあ、砂垣の苦し紛れのやけっぱちの一撃は、そう言う意味で効いたってことよね。我々も現役の運営には自主性を重んじてるから、今夏美に話したことも主観は極力抑えてる。過度な口出しも自制してるしわ」

なるほど…

組織内部がここまで紛糾してても、後輩たちの現状を深く掌握してる…

こうして現役を見守っているのか、南玉連合のOB・OG連の先輩方は…

凄いシステムだなあ…

私は呑気に感心してたわ(苦笑)


...



「…紅ちゃん、我々には直に発信できないからね、黒原未亡人を経由して土佐原さんに伝えられたところによると、”砂垣のヤロー、やりやがったな!しょぼい仕掛け晒しやがって!”だってさ(苦笑)」

「ふう…、紅丸さんは深い人ですね…」

「そうね…、でもその深さを読み取れるなんて、あなたの眼力も凄いわよ」

「野上先輩…」

私には紅丸さんのこのメッセージ、何故か読み取れたんだよね

それは、”自分は少なくとも油断した。でも、そんなしょぼい牽制球には惑わされず、オタオタしないでほしい…”

大所帯の妹分には、そうシグナルを送ってくれたんじゃないのかな…





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