きみと3秒見つめ合えたなら
 美帆になら、話しても大丈夫かな。 
 噂が広まって、なんとなく、誰も信じられないと思っていた。でも、美帆なら、大丈夫な気がした。全てはさすがに難しいけど。

「美帆、聞いてくれる?」

「聞くよ。誰にも言わない。」

「どこから話そう...」
「どこからでもいいよー。っていうか、またドリンクバーでも行く?」

「うん。行く。」
 
 私たちはいつものファミレスに行った。

「噂のことだけど。先生にも呼び出されて、一応、お咎め無しってことで。」

「うん。知ってる。デマなんでしょ?」 

 私は勇気をふりしぼって美帆に伝えた。
「桐谷くんとは付き合ってない。
だけど、駅の話は半分本当。」 

ゴホっ。美帆がびっくりしすぎて喉を詰らせかけた。

「半分って何?キスしてないよね? 
あ、ごめん。嫌なこと聞いた?」

「美帆はそっちの噂を聞いたんだ...。」

「なんか色々バリエーションがあるみたいよ、噂の。」

「そうなんだ。色々あるんだ...。もう、聞きたくないけど。噂って怖いよね。」
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