きみと3秒見つめ合えたなら
過去を乗り越えて
「サッカーの試合かぁ」
「どうした?絢音?」
美帆に誘われてから、ずっと行くか、行くまいか考えていたせいで、休み時間、思わず友梨に呟いてしまった。
「あ、あのね、美帆がさ、サッカー部の練習試合で、マネージャーの手伝いしてくれないかって。」
「なんで絢音なのよ。絢音、サッカーに興味ないでしょ?」
友梨が不思議そうに私を見る。
「え?あ、そうそう。そうなのよ。私、サッカー、わからないから。
やっぱり断ったほうがいいよね、迷惑かけちゃうよね、素人が手伝っても。」
あまりにも友梨がじっと私を見るので、なぜか焦って早口になる。
恋愛探偵の美帆が私を誘ってきた理由は、おそらく、私が早瀬くんのことを気になりだしていることに気づいているから。
でもどうして気づいたんだろ?
私、そんな誰にでもわかるくらいに早瀬くんを見ていたのだろうか?
こっそり...のつもりだったけど。
まだ友梨には言えない、なんとなく。
まだ自分のどこかで早瀬くんのことをスキとは認められていない。
でもそもそもスキって、認めるとか認めないとかあるわけ?
男子を好きになる、なり方がわからない。
いろいろ頭の中で考えていた時、友梨が、突然乗り気になって、椅子から立ち上がって言った。
「いいじゃん、行っておいでよ。男っ気がない絢音だから誘ったんじゃない?あんたなら、男子に媚び売ったり、馴れ馴れしくしないでしょ?」
「あ、まあ、あんまり自分からは行かないよね。」
友梨の勢いに圧倒されて、苦笑する私。
「試合中、男子にベタベタする女子じゃ、困るでしょ?私がマネージャーだったら、そんなやつに手伝ってもらうくらいなら、一人でやったほうがマシだわ。」
椅子に座り直しながら、友梨が言う。
「そ、そっか。」
いいのか悪いのか、私は友梨から見れば、適任なようだ。
「でもさ、絢音。あんたの場合は、ちょっとくらいベタベタしたくらいが、ちょうどいいかも。」
友梨が笑いながら言う。
「ほんと、もう高2だよ。彼氏とかほしくないの?」
「...彼氏、なんて。そんな。
友梨は、最近、どうなのよ。」
私はドキマギしながら話をそらせた。
「え?私?この前、2ヶ月記念日だったんだけど。私、自信なくしてたんだけど、友梨が一番って言ってくれたのね。先輩、かっこいいし、優しいし、本当に私が彼女でいいのかなぁ〜なんて。」
「う、うん。」
友梨ののろけ話に、自分から聞いておいて、たじろぐ私。
友梨はバスケ部の先輩と付き合っている。
友梨の幸せオーラが眩しくて、羨ましくもあるけれど、私には無縁の話。
「先輩の友達、紹介しようか?」
「いや〜、ムリムリ。先輩とか私、ムリ。」
同級生とも上手く話せないのに、先輩なんて絶対ムリ。
「絢音はモテるのにねぇ、もったいない。」
友梨が再び私の顔を覗き込む。
「いつも言うけど、私、モテないから。見ててわかるでしょ?私のモテピークは残念ながら小学校時代なの。」
私は頬杖を付きながら、休み時間がまだあるか時計を見た。
「どうした?絢音?」
美帆に誘われてから、ずっと行くか、行くまいか考えていたせいで、休み時間、思わず友梨に呟いてしまった。
「あ、あのね、美帆がさ、サッカー部の練習試合で、マネージャーの手伝いしてくれないかって。」
「なんで絢音なのよ。絢音、サッカーに興味ないでしょ?」
友梨が不思議そうに私を見る。
「え?あ、そうそう。そうなのよ。私、サッカー、わからないから。
やっぱり断ったほうがいいよね、迷惑かけちゃうよね、素人が手伝っても。」
あまりにも友梨がじっと私を見るので、なぜか焦って早口になる。
恋愛探偵の美帆が私を誘ってきた理由は、おそらく、私が早瀬くんのことを気になりだしていることに気づいているから。
でもどうして気づいたんだろ?
私、そんな誰にでもわかるくらいに早瀬くんを見ていたのだろうか?
こっそり...のつもりだったけど。
まだ友梨には言えない、なんとなく。
まだ自分のどこかで早瀬くんのことをスキとは認められていない。
でもそもそもスキって、認めるとか認めないとかあるわけ?
男子を好きになる、なり方がわからない。
いろいろ頭の中で考えていた時、友梨が、突然乗り気になって、椅子から立ち上がって言った。
「いいじゃん、行っておいでよ。男っ気がない絢音だから誘ったんじゃない?あんたなら、男子に媚び売ったり、馴れ馴れしくしないでしょ?」
「あ、まあ、あんまり自分からは行かないよね。」
友梨の勢いに圧倒されて、苦笑する私。
「試合中、男子にベタベタする女子じゃ、困るでしょ?私がマネージャーだったら、そんなやつに手伝ってもらうくらいなら、一人でやったほうがマシだわ。」
椅子に座り直しながら、友梨が言う。
「そ、そっか。」
いいのか悪いのか、私は友梨から見れば、適任なようだ。
「でもさ、絢音。あんたの場合は、ちょっとくらいベタベタしたくらいが、ちょうどいいかも。」
友梨が笑いながら言う。
「ほんと、もう高2だよ。彼氏とかほしくないの?」
「...彼氏、なんて。そんな。
友梨は、最近、どうなのよ。」
私はドキマギしながら話をそらせた。
「え?私?この前、2ヶ月記念日だったんだけど。私、自信なくしてたんだけど、友梨が一番って言ってくれたのね。先輩、かっこいいし、優しいし、本当に私が彼女でいいのかなぁ〜なんて。」
「う、うん。」
友梨ののろけ話に、自分から聞いておいて、たじろぐ私。
友梨はバスケ部の先輩と付き合っている。
友梨の幸せオーラが眩しくて、羨ましくもあるけれど、私には無縁の話。
「先輩の友達、紹介しようか?」
「いや〜、ムリムリ。先輩とか私、ムリ。」
同級生とも上手く話せないのに、先輩なんて絶対ムリ。
「絢音はモテるのにねぇ、もったいない。」
友梨が再び私の顔を覗き込む。
「いつも言うけど、私、モテないから。見ててわかるでしょ?私のモテピークは残念ながら小学校時代なの。」
私は頬杖を付きながら、休み時間がまだあるか時計を見た。