きみと3秒見つめ合えたなら

〜聖斗side〜ライバルはまさかの...

 相川綾音が練習試合に来ていた。
 美帆が誘ったのは相川だったようだ。

 ナイス、美帆...心の中で感謝する。

 試合では、前半戦いいところを見せたいと、張り切るも若干の空回り。

 ダメだ、試合に集中しよう。

 その後は試合に集中したせいか、うまく得点につながるアシストができた。

 ハーフタイム。
やはり、男子と関わりたくないのか、機械的にタオルを渡している。

 今日がチャンスだよな。
「ありがとう、相川さん。」
思い切って声をかけた。

「あ、は、早瀬くん...」
顔をあげた相川はびっくりした様子だった。
 オレのこと、苦手なのか?
 相川から受け取ったタオルで顔を拭いた。

 特にそこから会話が弾むこともなく、練習試合も終わってしまった。

 帰り際に声をかけてみようと思ったが、相川は知らないうちに姿を消していて、できなかった。

 美帆に聞いたら、相川がどこにいるかわかるかもしれない...と思ったが、アイツに感づかれると面倒くさいかもと思うと、その勇気が出なかった。
 いや?もしかしたら、意外と協力してくれたりするのかな?

 葛藤している間に、美帆も姿を消していた。

 もちろん、こんな調子で、何か進展があるわけもなく、逆に、部活中、たまに目が合っていた...はずが、合わなくなってきた、気がした。

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