きみと3秒見つめ合えたなら
 やはり、サッカー部優先なので、早瀬くんは練習終わりに少し来る、程度。

「相川、おつかれー。部活中の相川ってちょっとカッコイイんだよな。」

 スパイクを片付けていると、急に早瀬くんに声をかけられて、ビクッとしてしまった。

「あ、ごめん。驚かした?」

「あ、うん。急に声かけられて、びっくりしただけ。大丈夫。」

 いつもの様に会話が弾まない答え方しちゃったな、とさっさとその場を去ろうとした時、
「相川って...」
「え?」
振り返った私に早瀬くんは聞いた。

「恭介と仲いいの?」
「え?」
そんなことを早瀬くんから聞かれるとは思っていなかったので、かなり驚いた。

「体育祭で、相川のこと、めっちゃ応援してただろ?アイツ。」

 あ、あれか。早瀬くんまで気づいてるって事は、結構、いろんな人見てたのかな?

 恥ずかしいなぁ、何でもないのに。

「あれは、私の事、からかってただけ、みたいな。体育祭限定のネタ?周りに突っ込まれて、盛り上がるみたいな。彼女もいるみたいだし。」
うまく、説明できないけど。

「あ、彼女...
ところで相川は、大丈夫?そんなの、困ってたんじゃないの?」

「え?」
 ...そう、最初は困ってた。でも応援してくれるのは嬉しくて。次の日から何もない感じは、ちょっと寂しさもあって。

「大丈夫。」

「そっか。ならいいんだ。
相川いつも、大丈夫って言うけどー」

「え?」
「...何でもない。じゃあ、また明日。」

 何か言いかけて、早瀬くんはサッカー部の更衣室に向かって行った。

 また明日、なんかいい響き。

 もしかして、やっぱり私は、早瀬くんに「恋」をしているのだろうか...
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