きみと3秒見つめ合えたなら
珍しく、相川先輩がいない。
どうやら早退したらしい。
相川先輩がいない部活は、モチベーションも半減する。
いつもより長く感じた部活が終わり、グランドを後にしようとしたとき、美帆ちゃんが走ってこっちに来るのがみえた。
オレは美帆ちゃんなら、相川先輩の早退理由も知ってると思って、声をかけた。
「美帆ちゃん、どうしたの?相川先輩、今日部活、休んでるけど?」
「知ってる。聖斗と課題届けようと思って。聖斗いる?」
なんだって。相川先輩の家に行くのかよ。
オレは思わず、
「オレも行く!」と言ってしまった。
「は?恭ちゃん、関係ないでしょ?」
美帆ちゃんはオレをどうしても連れて行きたくない様で
「恭ちゃん、彼女いるんでしょ?彼女に怒られるよ。」
とかなんとか言って退けようとする。
押し問答しているところに聖斗くんが現れて、3人で昔のように、わちゃわちゃしているうちに、美帆ちゃんも折れて、オレも行くことになった。
相川先輩の家までの道のりは、昔みたいで結構楽しかった。
聖斗くんとライバル関係にあることも忘れて、3人で馬鹿な話も久しぶりにした。
意外にあっと言う間に相川先輩の家についた。
「オレ、ここで待っとくわ。たくさんで行っても迷惑だろ?」
聖斗くんが言った。
聖斗くん、大人だなぁと、ちょっと敗北感を感じた。
ピンポーン。
玄関を開けた相川先輩が、驚いた表情でオレを見上げた。
「ごめん、絢音。付いて来るって聞かなくて...」
「先輩、大丈夫ですか?」
オレは、先輩の顔が見ることができて、とにかく嬉しかった。
「あ、うん。もう熱は下がったから。」
でも、相川先輩はやっぱり元気がない気がした。
「聖斗も来たら?」と美帆ちゃんが聖斗くんを呼ぶ。
「え?早瀬くん?」
相川先輩の顔が一瞬ほころんだ、気がした。オレに見せた顔とは違う顔。
「あんまり押しかけても...大丈夫?」と聖斗くんが顔をのぞかせる。
「私、絢音と話したいから、ちょっと恭ちゃん、聖斗のとこ行っててくれる?」
「は〜い」
素直に聖斗くんのところへ行った。
やっぱり、相川先輩は聖斗くんのこと、好きなんだろうな。好きな人の気持ちって、敏感にわかるものなんだな、と初めて気づいた。
「聖斗くんは大人だね。」
聖斗くんと2人になって、正直な気持ちを聖斗くんに伝える。
「なんだよ、それ。1個しか違わないじゃないか。」
聖斗くんがスマホの画面を見ながら答える。
「オレ、相川先輩のことになると必死になっちゃうんだよね。
今まで彼女もいたけど、向こうからくるからさ、自分の気分でどうにでもなったわけ。」
「モテるやつはスゴいねー。」
聖斗くんはまだスマホの画面をみている。
「聖斗くんはさ、自然体でさ、男の余裕みたいなのを感じるよ。
あー、オレなんか、空回りなんだよなぁ。」
聖斗くんの視線がオレに向いた。
「余裕なんてないよ。
恭介が相川といるところとかみたら、やべーって。
陸上部のことだってさ、本当はうちの顧問は反対したんだ。
でも、相川いるじゃん?
そんな理由言えないけど、必死に理由つけて顧問にお願いした。
結構、オレだって必死なんだぜ。
恭介だけには渡したくない。」
いつもより強気な聖斗くんに圧倒された。聖斗くんに追い越された感じがした。
ってか、なんでオレだけには渡したくないんだよ。
「お待たせー」美帆ちゃんが帰ってきた。
「何話してたんだよ」聖斗くんが聞くと、美帆ちゃんは
「ヒ・ミ・ツ」と行って自転車を押し始めた。
「せんぱ〜い、お大事にしてくださ〜い。部活で待ってま〜す!」
とオレは気持ちを立て直して、いつものように明るく叫んで、美帆ちゃんの後を追いかけた。
次の日、相川先輩は大事をとって部活を休んだ。
気にはなったが、2日続けてお見舞いに行く勇気はさすがのオレもない。
あの日の聖斗くんの強気な発言に圧倒されたのか、どうも怯んだ俺がいた。
その気持ちが走りにでているのか?
いつも通りの歩数なのに、聖斗くんにバトンが渡せない。
「半歩、縮めようか?」聖斗くんが聞いてきた。
「いや、このままで。オレ、絶対渡すから。」
100mのタイムはオレの方が速い。
何かが噛み合わない。
いつも1歩、いや、半歩でも
先を行く聖斗くんにオレ、ビビってるのかな。
そしてその翌日、相川先輩はいつも通りに部活に来た。
どうやら早退したらしい。
相川先輩がいない部活は、モチベーションも半減する。
いつもより長く感じた部活が終わり、グランドを後にしようとしたとき、美帆ちゃんが走ってこっちに来るのがみえた。
オレは美帆ちゃんなら、相川先輩の早退理由も知ってると思って、声をかけた。
「美帆ちゃん、どうしたの?相川先輩、今日部活、休んでるけど?」
「知ってる。聖斗と課題届けようと思って。聖斗いる?」
なんだって。相川先輩の家に行くのかよ。
オレは思わず、
「オレも行く!」と言ってしまった。
「は?恭ちゃん、関係ないでしょ?」
美帆ちゃんはオレをどうしても連れて行きたくない様で
「恭ちゃん、彼女いるんでしょ?彼女に怒られるよ。」
とかなんとか言って退けようとする。
押し問答しているところに聖斗くんが現れて、3人で昔のように、わちゃわちゃしているうちに、美帆ちゃんも折れて、オレも行くことになった。
相川先輩の家までの道のりは、昔みたいで結構楽しかった。
聖斗くんとライバル関係にあることも忘れて、3人で馬鹿な話も久しぶりにした。
意外にあっと言う間に相川先輩の家についた。
「オレ、ここで待っとくわ。たくさんで行っても迷惑だろ?」
聖斗くんが言った。
聖斗くん、大人だなぁと、ちょっと敗北感を感じた。
ピンポーン。
玄関を開けた相川先輩が、驚いた表情でオレを見上げた。
「ごめん、絢音。付いて来るって聞かなくて...」
「先輩、大丈夫ですか?」
オレは、先輩の顔が見ることができて、とにかく嬉しかった。
「あ、うん。もう熱は下がったから。」
でも、相川先輩はやっぱり元気がない気がした。
「聖斗も来たら?」と美帆ちゃんが聖斗くんを呼ぶ。
「え?早瀬くん?」
相川先輩の顔が一瞬ほころんだ、気がした。オレに見せた顔とは違う顔。
「あんまり押しかけても...大丈夫?」と聖斗くんが顔をのぞかせる。
「私、絢音と話したいから、ちょっと恭ちゃん、聖斗のとこ行っててくれる?」
「は〜い」
素直に聖斗くんのところへ行った。
やっぱり、相川先輩は聖斗くんのこと、好きなんだろうな。好きな人の気持ちって、敏感にわかるものなんだな、と初めて気づいた。
「聖斗くんは大人だね。」
聖斗くんと2人になって、正直な気持ちを聖斗くんに伝える。
「なんだよ、それ。1個しか違わないじゃないか。」
聖斗くんがスマホの画面を見ながら答える。
「オレ、相川先輩のことになると必死になっちゃうんだよね。
今まで彼女もいたけど、向こうからくるからさ、自分の気分でどうにでもなったわけ。」
「モテるやつはスゴいねー。」
聖斗くんはまだスマホの画面をみている。
「聖斗くんはさ、自然体でさ、男の余裕みたいなのを感じるよ。
あー、オレなんか、空回りなんだよなぁ。」
聖斗くんの視線がオレに向いた。
「余裕なんてないよ。
恭介が相川といるところとかみたら、やべーって。
陸上部のことだってさ、本当はうちの顧問は反対したんだ。
でも、相川いるじゃん?
そんな理由言えないけど、必死に理由つけて顧問にお願いした。
結構、オレだって必死なんだぜ。
恭介だけには渡したくない。」
いつもより強気な聖斗くんに圧倒された。聖斗くんに追い越された感じがした。
ってか、なんでオレだけには渡したくないんだよ。
「お待たせー」美帆ちゃんが帰ってきた。
「何話してたんだよ」聖斗くんが聞くと、美帆ちゃんは
「ヒ・ミ・ツ」と行って自転車を押し始めた。
「せんぱ〜い、お大事にしてくださ〜い。部活で待ってま〜す!」
とオレは気持ちを立て直して、いつものように明るく叫んで、美帆ちゃんの後を追いかけた。
次の日、相川先輩は大事をとって部活を休んだ。
気にはなったが、2日続けてお見舞いに行く勇気はさすがのオレもない。
あの日の聖斗くんの強気な発言に圧倒されたのか、どうも怯んだ俺がいた。
その気持ちが走りにでているのか?
いつも通りの歩数なのに、聖斗くんにバトンが渡せない。
「半歩、縮めようか?」聖斗くんが聞いてきた。
「いや、このままで。オレ、絶対渡すから。」
100mのタイムはオレの方が速い。
何かが噛み合わない。
いつも1歩、いや、半歩でも
先を行く聖斗くんにオレ、ビビってるのかな。
そしてその翌日、相川先輩はいつも通りに部活に来た。