きみと3秒見つめ合えたなら
〜聖斗side〜諦められない
バレンタインのあの日、何人かに告白されたが、ちゃんと断わった。
...つもりだったが、
佐山景子には響いていなかったようで、部活終わりに待ち伏せされるようになった。
いつも相川と帰ってたはず。
毎日来られると、さすがにウザく思えてきた。
「早瀬くん、今日こそ一緒にかえろ?」
「だからオレ、佐山と帰る理由がないから。それに、オレ、自転車だし。佐山、歩きだろ?」
「いいじゃない。一緒に帰るくらい。早瀬くん、自転車押してよ。」
あー、自分勝手だなぁ。オレは、優しい方だと思っていたが、さすがにこういう奴はムリだ。
「ごめん。オレは他に好きな人もいるから。佐山の事は考えられない。」
「それって...」
「じゃ。これで。」オレは、遮るように言って自転車置き場に向かう。
「待って。絢音はムリだからね。」
いつもは来ない自転車置き場まで、佐山はついてきて、オレに言った。
オレは無視して自転車にまたがった時、
「今日だけ!今日だけ一緒に帰って。お願い!」
と、佐山が懇願する。
その様子を見ている奴らもいて、無下にはできず、
「今日だけだからな。」
と言って、オレは自転車から降りた。
それでも、佐山と一緒のところを誰にも見られたくない思いと、早くこの時間が過ぎてほしい思いがあってか、オレはかなりの早足で、坂を下っていた。
佐山はオレと距離が開かないよう、ついてくる。
下りきった先で、ふたたび引き止められた。
「絢音は、早瀬くんと私のこと、応援するって。」
そうなのか?やっぱり相川は、オレじゃないのか?
「それでも、オレは...」
言いかけて、
「あ、聖斗くん。え?佐山先輩?」
声をかけられた。
「え?」
振り向くと目が合った。
相川...と...
「恭介? ...相川と一緒なの?」
「まぁね。」
4人の間に不穏な空気が流れた。
よりによって、なんでこんな日に相川に会うんだよ。誤解されるじゃないか。
それより、なんで相川は恭介と帰ってるの?あの2人だって、自転車と歩きなのに。
オレは頭が混乱して、何も言えなかった。そして、佐山が沈黙を破った。
「ね?早瀬くん。こういうことだよ。行こう。」とオレを引っ張った。
「絢音は桐谷みたいなのがいいのよ。
自分のことをかわいいって持ち上げてくれる様な男が好きなんじゃない?
早瀬くんのいいところなんて、気が付かないわよ。」
...そうなのか。
相川はやっぱり恭介の事が好きなのか。
あのガードが硬い相川が、一緒に帰るのだから。
頭が真っ白だ。
やっぱり、部活って大きいな。
毎日一緒だもんな。
美帆の言う通り、ガンガン行くべきだったかな。
まだ間に合うか?
もう無理なのか。
「それでも、まだオレ、やっぱり相川のこと好きなんだよ。」
オレはそう言って、何か言おうとする佐山を無視して角を曲がろうとした。
「なんでみんな、絢音ばっかりなの?
どうして早瀬くん、私のこともみてくれないの?」
佐山がオレを引き止める。
「...なんでだろうな。」
力なく言ったオレに、佐山は追いかけてはこなかった。オレは目に焼き付いた、さっきの相川と恭介の2ショットをかき消すかのように、自転車を猛スピードで漕いだ。
誰がなんと言おうと、オレはまだ、相川絢音が好きで。
まだ、何もできてなくて。
このまま、諦めるなんてできない。
ガンガンいかないと。
でも、どうやって...?
...つもりだったが、
佐山景子には響いていなかったようで、部活終わりに待ち伏せされるようになった。
いつも相川と帰ってたはず。
毎日来られると、さすがにウザく思えてきた。
「早瀬くん、今日こそ一緒にかえろ?」
「だからオレ、佐山と帰る理由がないから。それに、オレ、自転車だし。佐山、歩きだろ?」
「いいじゃない。一緒に帰るくらい。早瀬くん、自転車押してよ。」
あー、自分勝手だなぁ。オレは、優しい方だと思っていたが、さすがにこういう奴はムリだ。
「ごめん。オレは他に好きな人もいるから。佐山の事は考えられない。」
「それって...」
「じゃ。これで。」オレは、遮るように言って自転車置き場に向かう。
「待って。絢音はムリだからね。」
いつもは来ない自転車置き場まで、佐山はついてきて、オレに言った。
オレは無視して自転車にまたがった時、
「今日だけ!今日だけ一緒に帰って。お願い!」
と、佐山が懇願する。
その様子を見ている奴らもいて、無下にはできず、
「今日だけだからな。」
と言って、オレは自転車から降りた。
それでも、佐山と一緒のところを誰にも見られたくない思いと、早くこの時間が過ぎてほしい思いがあってか、オレはかなりの早足で、坂を下っていた。
佐山はオレと距離が開かないよう、ついてくる。
下りきった先で、ふたたび引き止められた。
「絢音は、早瀬くんと私のこと、応援するって。」
そうなのか?やっぱり相川は、オレじゃないのか?
「それでも、オレは...」
言いかけて、
「あ、聖斗くん。え?佐山先輩?」
声をかけられた。
「え?」
振り向くと目が合った。
相川...と...
「恭介? ...相川と一緒なの?」
「まぁね。」
4人の間に不穏な空気が流れた。
よりによって、なんでこんな日に相川に会うんだよ。誤解されるじゃないか。
それより、なんで相川は恭介と帰ってるの?あの2人だって、自転車と歩きなのに。
オレは頭が混乱して、何も言えなかった。そして、佐山が沈黙を破った。
「ね?早瀬くん。こういうことだよ。行こう。」とオレを引っ張った。
「絢音は桐谷みたいなのがいいのよ。
自分のことをかわいいって持ち上げてくれる様な男が好きなんじゃない?
早瀬くんのいいところなんて、気が付かないわよ。」
...そうなのか。
相川はやっぱり恭介の事が好きなのか。
あのガードが硬い相川が、一緒に帰るのだから。
頭が真っ白だ。
やっぱり、部活って大きいな。
毎日一緒だもんな。
美帆の言う通り、ガンガン行くべきだったかな。
まだ間に合うか?
もう無理なのか。
「それでも、まだオレ、やっぱり相川のこと好きなんだよ。」
オレはそう言って、何か言おうとする佐山を無視して角を曲がろうとした。
「なんでみんな、絢音ばっかりなの?
どうして早瀬くん、私のこともみてくれないの?」
佐山がオレを引き止める。
「...なんでだろうな。」
力なく言ったオレに、佐山は追いかけてはこなかった。オレは目に焼き付いた、さっきの相川と恭介の2ショットをかき消すかのように、自転車を猛スピードで漕いだ。
誰がなんと言おうと、オレはまだ、相川絢音が好きで。
まだ、何もできてなくて。
このまま、諦めるなんてできない。
ガンガンいかないと。
でも、どうやって...?