ひさしぶりに再会した幼なじみが総長様だったなんて聞いてません


「えっ、ちょっと、奈緒くん!」


 転校初日、疲れを隠せない幼なじみは……

 私のベッドの上でスヤスヤと寝息をたてて、深い眠りについてた。


「もう、なんでそうなるの……」


 居心地がよくてリラックスしてたから、無理もない。

 しかたない、私は部屋の床に敷かれた来客用の布団で寝ることにしよう。


「それにしても……」


 奈緒くんの可愛い寝顔は幼少の頃と変わらなかった。

 イケメンに成長して私の前に姿を見せてくれたけど、地味子あつかいもしてこない。

 教室でクラスメイトを目の前にしても、笑顔で親しく話しかけてくれる。


 嫌味な態度や、私が傷つくようなこと言ってこなかった。

 それどころか、カーストの子たちを余所にして私を気づかってくれる。


「明日から、学校生活が楽しみだな……」


 私は独り言を呟きながら、奈緒くんの体に掛け布団を静かに乗せた。

 制服を脱いで寝間着になった私は、部屋の照明を消して布団に入る。



 薄暗い室内で、私は奈緒くんの寝顔を見つめているうちに……


 深い眠りに落ちてしまった……






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