【甘やかしてあげたい、傷ついたきみを。】番外編その2「バー・アズリッシモにて」
***
「でも、本当、俺も嬉しいよ。ふたりが付き合うことになって」
サッカー観戦組が帰ると、店は急に静かになった。
その後、栗原さんはクローズの札を出し、3人でソファー席に移動して、改めて飲みなおした。
そして、2杯目を飲んだあたりで、亮介さんは早々にダウンしてしまった。
「ああ、最高に気持ちいい……」
と言って、くたっと横になってしまった彼に、栗原さんはブランケットをかけ、それからわたしにウーロン茶を持ってきてくれた。
「ずっと聞かされていたからね。奈月さんのこと」
「そう……なんですね」
「亮介、考えるより行動って奴だろう?」
「たしかにそういうところあります」
「それが、奈月さんのこととなったら、まるで金縛りみたいに動けなくなってて。見てるのは、もどかしかったよ」
「わたしが……なかなか自分の気持ちに気づけなかったから」