【甘やかしてあげたい、傷ついたきみを。】番外編その2「バー・アズリッシモにて」
「亮介さん、そんなに小さいころから包容力のある人だったんですね」
「ああ、確かに。あのころから器の大きい奴だった」
 栗原さんも口の端に笑みを浮かべた。

「その後もさんざん迷惑かけた。俺は中学に入ったころからグレて、小学校の時の友達はどんどん離れていったけど、亮介だけは変わらずにそばにいてくれた。授業はサボってばっかだったけど、サッカー部をやめなかったのは亮介がいたからで。そのおかげでなんとか、ギリギリ道を踏み外さずにいられたんだ」

 栗原さんはふーっと大きく息をつき、照れ笑いを浮かべた。

「こんな話、こっぱずかしくて、あいつが起きてたら、絶対できないけどな」
「やっぱり素敵です。亮介さんと栗原さん」

「櫂でいいよ。あ、でも、また亮介が文句つけるか」
 うーんと、まるで今の会話が聞こえたように、亮介さんが声をあげ、わたしたちは顔を見合わせて、また笑った。
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