意味不明彼氏
「あははっ、嘘よ、嘘。酔った蓮から聞き出した情報だよ」
……何と。
蓮は、親の前で酔っ払った姿を見せているのか。
…ていうか、お母さん…。
止めなよ、彼、まだ未成年なんだから。
「は?」
「この子、超可愛いのよ。酔うと、雪ちゃんのノロケ話大会をしてくるのよ」
え?
あたしは、耳を疑った。
蓮が、のろけるの?
「はぁ?嘘、言ってんじゃねーよ!」
そういった蓮。
だけど、顔は真っ赤だった。
……図星?
「あら、そうだっけ?それはどうでもいいのよ。雪ちゃん、ここで食べるよね?」
もちろんですよ。
松坂牛なんて…。
この先、一生食えないかもしれないのに。
あたしは、ニッコリ笑って何度も頷いた。
「雪!?何で、頷くんだよ!」
蓮は、あたしの頭をバシッと叩く。
その瞬間、さっきせっかくセットした髪が崩れていった。
「最低ー!女を殴るなんて!!」
あたしは蓮の頭を100倍返しでお見舞いした。