意味不明彼氏


「あははっ、嘘よ、嘘。酔った蓮から聞き出した情報だよ」


……何と。

蓮は、親の前で酔っ払った姿を見せているのか。


…ていうか、お母さん…。

止めなよ、彼、まだ未成年なんだから。



「は?」

「この子、超可愛いのよ。酔うと、雪ちゃんのノロケ話大会をしてくるのよ」


え?

あたしは、耳を疑った。


蓮が、のろけるの?


「はぁ?嘘、言ってんじゃねーよ!」


そういった蓮。

だけど、顔は真っ赤だった。


……図星?


「あら、そうだっけ?それはどうでもいいのよ。雪ちゃん、ここで食べるよね?」


もちろんですよ。


松坂牛なんて…。


この先、一生食えないかもしれないのに。


あたしは、ニッコリ笑って何度も頷いた。


「雪!?何で、頷くんだよ!」

蓮は、あたしの頭をバシッと叩く。


その瞬間、さっきせっかくセットした髪が崩れていった。


「最低ー!女を殴るなんて!!」

あたしは蓮の頭を100倍返しでお見舞いした。
< 335 / 372 >

この作品をシェア

pagetop