月下の聖女〜婚約破棄された元聖女、冒険者になって悠々自適に過ごす予定が、追いかけてきた同級生に何故か溺愛されています。
「くぅーん!」
「え、トール?」
突然のことに驚いたティナがトールを見ると、何となく不機嫌そうな雰囲気を醸し出している。
そんなトールに掴まれた魔物の子供は、訴えるような瞳でティナを見る。どうやらトールの不機嫌オーラに怯えているらしい。
「……ティナ、何の魔物かわからないんだから、顔を舐めさせちゃ駄目だよ。もし唾液が酸性だったらどうする?」
「ひぇっ!! あ、そうだよね、気を付けなきゃダメだよね……ゴメン」
素直に謝るティナにトールの良心がチクっと痛む。
いつだってティナは、トールの言葉を疑いもせずに信じてくれるのだ。
「あ……いや、俺こそゴメン。ティナにそれらしいことを言ったけど、本当はコイツにヤキモチを焼いただけなんだ」
「えっ?! や、ヤキモチ……?」
トールの言葉にティナの顔がかぁっと赤くなる。相変わらずトールは意味深なことを言うので、どういう意味で受け取ればいいか困ってしまうのだ。
「ティナに素直に甘えられる魔物が羨ましかったんだ。あ、ティナの顔を舐めたいって意味じゃないから!!」
「……っ?! そ、そりゃそうだよね! うんうん、わかってるわかってる!」
トールの意味深発言は止まらない。トールの更なる追い打ちに、ティナも自分で何を言っているのかわからなくなってきた。
「え、トール?」
突然のことに驚いたティナがトールを見ると、何となく不機嫌そうな雰囲気を醸し出している。
そんなトールに掴まれた魔物の子供は、訴えるような瞳でティナを見る。どうやらトールの不機嫌オーラに怯えているらしい。
「……ティナ、何の魔物かわからないんだから、顔を舐めさせちゃ駄目だよ。もし唾液が酸性だったらどうする?」
「ひぇっ!! あ、そうだよね、気を付けなきゃダメだよね……ゴメン」
素直に謝るティナにトールの良心がチクっと痛む。
いつだってティナは、トールの言葉を疑いもせずに信じてくれるのだ。
「あ……いや、俺こそゴメン。ティナにそれらしいことを言ったけど、本当はコイツにヤキモチを焼いただけなんだ」
「えっ?! や、ヤキモチ……?」
トールの言葉にティナの顔がかぁっと赤くなる。相変わらずトールは意味深なことを言うので、どういう意味で受け取ればいいか困ってしまうのだ。
「ティナに素直に甘えられる魔物が羨ましかったんだ。あ、ティナの顔を舐めたいって意味じゃないから!!」
「……っ?! そ、そりゃそうだよね! うんうん、わかってるわかってる!」
トールの意味深発言は止まらない。トールの更なる追い打ちに、ティナも自分で何を言っているのかわからなくなってきた。