月下の聖女〜婚約破棄された元聖女、冒険者になって悠々自適に過ごす予定が、追いかけてきた同級生に何故か溺愛されています。
「い、今はまだ<神聖力>は持っていません、けど……! ここで過ごせばそのうち私にも<神聖力>が与えられるはずです!! 私をここに置いて下さい!!」
<神聖力>は神殿の神官や巫女達が修行を積んで得ることが出来る。なら、自分にもその力が与えられるはずだ、とアンネマリーは考えたのだ。
「……ここで修行と仰られても……。今の貴女のその状態で耐えられるかどうか……」
心配そうなアレクシスの様子に、修行はそんなに厳しいのかと思ったが、アンネマリーは何かが引っかかった。
「そ、それはどういう……。え、状態って?」
「貴女の魔力ですよ。もしかして気付いていらっしゃらないのですか?」
アンネマリーは自身の身体の状態を確認する。すると、自分の身体を包んでいた魔力の量が殆ど無いことに気が付いた。
「ど、どうして……っ?! 私の魔力が……っ!!」
──この世界では、魔力の多さは生命力の強さに比例する。
昨日までは魔力が満ち、健康そのものだった身体が今は酷く重い。
どうやらクリスティナを追い出すことに成功した喜びで自覚していなかったところに、大神官からの殺気を受け、身体の感覚が麻痺していたようだ。
<神聖力>は神殿の神官や巫女達が修行を積んで得ることが出来る。なら、自分にもその力が与えられるはずだ、とアンネマリーは考えたのだ。
「……ここで修行と仰られても……。今の貴女のその状態で耐えられるかどうか……」
心配そうなアレクシスの様子に、修行はそんなに厳しいのかと思ったが、アンネマリーは何かが引っかかった。
「そ、それはどういう……。え、状態って?」
「貴女の魔力ですよ。もしかして気付いていらっしゃらないのですか?」
アンネマリーは自身の身体の状態を確認する。すると、自分の身体を包んでいた魔力の量が殆ど無いことに気が付いた。
「ど、どうして……っ?! 私の魔力が……っ!!」
──この世界では、魔力の多さは生命力の強さに比例する。
昨日までは魔力が満ち、健康そのものだった身体が今は酷く重い。
どうやらクリスティナを追い出すことに成功した喜びで自覚していなかったところに、大神官からの殺気を受け、身体の感覚が麻痺していたようだ。