月下の聖女〜婚約破棄された元聖女、冒険者になって悠々自適に過ごす予定が、追いかけてきた同級生に何故か溺愛されています。

後悔

 セーデルルンド王国の第一王子、フレードリクは眉目秀麗でそこそこ優秀であったため、彼が次期王太子に推挙されるだろうと、王国民の誰もが思っていた。

 フレードリク自身も、幼少の頃より周りから褒めそやされながら育ったため、自分以外に王太子に相応しい者はいないと、自意識過剰でプライドが高い性格に育ってしまう。

 我儘に育ったフレードリクに国王や王妃が頭を悩ませていたある時、王宮に神殿から<聖女>が見つかったという報告が入る。

 <聖女>とは、この国を魔物から守る結界を張り、<瘴気>を浄化する<神聖力>を持つ者のことで、王国に現れたのは初めてのことであった。

 しかも今回発見された<聖女>は、フレードリクと同じ年頃の少女であるにも関わらず、持っている<神聖力>は大神殿の大神官を凌駕するという。

 稀代の<聖女>が現れたことで国中が活気づき、好景気となったセーデルルンド王国は経済的にも発展し、国力を高めることとなる。
 更に王都を守護する結界が再整備され、<聖女>の<神聖力>によって守られた王都の地代は高騰し、王都で暮らすことが国民の憧れとなった。

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