月下の聖女〜婚約破棄された元聖女、冒険者になって悠々自適に過ごす予定が、追いかけてきた同級生に何故か溺愛されています。
先程買った本は五冊で、その中からティナはクロンクヴィスト王国の建国神話を読もうと決めた。
革張りの表紙には『エーレンフリートと精霊の旅』と描かれている。
「エーレンフリートって人が初代国王様ね。この人がトールのご先祖様かぁ……」
挿絵に描かれているエーレンフリートを見たティナは、トールのことを思い出す。
エーレンフリートの髪色は黒ではなく茶色だが、金色に着色された瞳を見ると、どうしてもトールのことが頭から離れないのだ。
「……どうしよう。全然お話が頭の中に入ってこないや」
夜になるまで読書をしようと思っていたティナだったが、何となく出鼻を挫かれた気になってしまう。
「……あぁ〜〜。どうしようっかな〜〜……」
なるべく思い出さないようにしていたのに、トールのことばかりが頭に浮かんでくる。
ティナは机に突っ伏して、足をジタバタと動かした。
(酷い言葉を投げつけて逃げた私を、トールは許してくれるかな……って、トールなら許してくれそうなんだよなぁ……)
ティナが誠心誠意謝れば、優しいトールは笑って許してくれると思う。
革張りの表紙には『エーレンフリートと精霊の旅』と描かれている。
「エーレンフリートって人が初代国王様ね。この人がトールのご先祖様かぁ……」
挿絵に描かれているエーレンフリートを見たティナは、トールのことを思い出す。
エーレンフリートの髪色は黒ではなく茶色だが、金色に着色された瞳を見ると、どうしてもトールのことが頭から離れないのだ。
「……どうしよう。全然お話が頭の中に入ってこないや」
夜になるまで読書をしようと思っていたティナだったが、何となく出鼻を挫かれた気になってしまう。
「……あぁ〜〜。どうしようっかな〜〜……」
なるべく思い出さないようにしていたのに、トールのことばかりが頭に浮かんでくる。
ティナは机に突っ伏して、足をジタバタと動かした。
(酷い言葉を投げつけて逃げた私を、トールは許してくれるかな……って、トールなら許してくれそうなんだよなぁ……)
ティナが誠心誠意謝れば、優しいトールは笑って許してくれると思う。