月下の聖女〜婚約破棄された元聖女、冒険者になって悠々自適に過ごす予定が、追いかけてきた同級生に何故か溺愛されています。
依頼主
「……ん? でも姉ちゃん、ティナだっけか? 俺とどこかで会ったことねぇか?」
「え? え?」
クロンクヴィストまで護衛をすることになった商会の、責任者らしい壮年の男性モルガンが、ティナの顔をまじまじと見ながら言った。
何かを思い出そうとするモルガンに、ティナがどうしようかと思っていると、視界が何かに塞がれると同時に”スパーンッ!!”という音が響いた。
「いってぇええええーーーーーっ!!」
「え? な、なになにっ?!」
ティナは何が起こっているのかわからず、一瞬混乱してしまう。
しかし、よく見ると視界を塞いだのはトールの背中で、モルガンの視線からティナを守ろうとしてくれたのだろうと理解した。
(あれ? じゃあ、さっきの音は……)
ティナがトールの背中から覗いてみると、頭を抱えたモルガンの後ろに、仁王立ちした女性が立っていた。
「ちょっとあんた!! そんな不躾な視線を女の子に向けたら失礼でしょ!! 早く謝りなさいよ!!」
「い、いや、そんな悪気があったわけじゃ……! って、痛い痛いっ!!」
モルガンを叱りつけた女性は、更にモルガンの背中をバシバシと叩く。
「悪気がなかったら何をしてもいいって?!」
「ちょ……っ!! やめ……っ!! ティ、ティナすまんかった!!」
モルガンを叩いていた女性は、モルガンが謝ったのを確認すると、ようやく叩くのをやめた。
「え? え?」
クロンクヴィストまで護衛をすることになった商会の、責任者らしい壮年の男性モルガンが、ティナの顔をまじまじと見ながら言った。
何かを思い出そうとするモルガンに、ティナがどうしようかと思っていると、視界が何かに塞がれると同時に”スパーンッ!!”という音が響いた。
「いってぇええええーーーーーっ!!」
「え? な、なになにっ?!」
ティナは何が起こっているのかわからず、一瞬混乱してしまう。
しかし、よく見ると視界を塞いだのはトールの背中で、モルガンの視線からティナを守ろうとしてくれたのだろうと理解した。
(あれ? じゃあ、さっきの音は……)
ティナがトールの背中から覗いてみると、頭を抱えたモルガンの後ろに、仁王立ちした女性が立っていた。
「ちょっとあんた!! そんな不躾な視線を女の子に向けたら失礼でしょ!! 早く謝りなさいよ!!」
「い、いや、そんな悪気があったわけじゃ……! って、痛い痛いっ!!」
モルガンを叱りつけた女性は、更にモルガンの背中をバシバシと叩く。
「悪気がなかったら何をしてもいいって?!」
「ちょ……っ!! やめ……っ!! ティ、ティナすまんかった!!」
モルガンを叩いていた女性は、モルガンが謝ったのを確認すると、ようやく叩くのをやめた。