月下の聖女〜婚約破棄された元聖女、冒険者になって悠々自適に過ごす予定が、追いかけてきた同級生に何故か溺愛されています。





 ティナは改めてイロナに何を占って貰おうかと考える。

(占って貰うとすれば、やっぱり月下草のことだよね。なんて聞けば良いのかな? イロナさんになら、正直に話して良いと思うけど)

 幻の月下草の群生場所を聞くべきか、栽培場所に適している場所は何処か聞くべきか悩むところだ。

『新月なら神の眼は閉じているし、妨害されないんじゃないかしら』

 ティナはイロナの言葉を思い出す。
 占星術に長けているからか、イロナは時々不思議なことを言う。それがまたティナにとっては新鮮で面白く、もっと話が聞きたいと思うほどだ。

 ティナはモルガン一家との不思議な縁に感謝しながら、明日からの野営に備えるべく、早く眠ることにしたのだった。
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