月下の聖女〜婚約破棄された元聖女、冒険者になって悠々自適に過ごす予定が、追いかけてきた同級生に何故か溺愛されています。
噂
辺境の村の宿から出て、隣国クロンクヴィストへ向かう準備をしていたティナ達は、周りの様子がおかしいことに気がついた。
「ねぇ、トール。何だか雰囲気がおかしくない?」
ティナの言葉に、トールは周りをぐるっと見渡してみる。
確かに、どの商人も冒険者たちも覇気がないようだ。
「……そうだな。落ち着きがないっていうか……何かを怖がってるような表情をしているね」
辺境の村といっても、隣国クロンクヴィストへ向かうための通過拠点として利用されているこの村には、結構な数の商団や冒険者たちがいた。
どのグループも出立の準備をしているが、その表情は何処か不安げだ。
ティナたちがどうしたのだろうと不思議に思っていると、モルガンが慌てて戻ってきた。
「さっきそこで教えて貰ったんだが、どうやらこの先の森で高レベルの魔物が出たらしい」
「高レベルの……? それは珍しいですね。どの魔物が出たのか聞いていますか?」
「それがなぁ……。どれもこの辺りにはいなかった魔物でな。名前は……スチュ……パリ……ス? とかシロップ? 何だっけ、シェロップ? だっけか?」
トールの質問に答えたモルガンから出た答えは、予想外の魔物の名前だった。
「もしかして、ステュムパリデスとシェロブですか……?」
ティナが記憶を辿り、似たような魔物の名前を口にする。
「そう、それそれ! 馴染みがない名前だから覚えらんなくってな」
「ねぇ、トール。何だか雰囲気がおかしくない?」
ティナの言葉に、トールは周りをぐるっと見渡してみる。
確かに、どの商人も冒険者たちも覇気がないようだ。
「……そうだな。落ち着きがないっていうか……何かを怖がってるような表情をしているね」
辺境の村といっても、隣国クロンクヴィストへ向かうための通過拠点として利用されているこの村には、結構な数の商団や冒険者たちがいた。
どのグループも出立の準備をしているが、その表情は何処か不安げだ。
ティナたちがどうしたのだろうと不思議に思っていると、モルガンが慌てて戻ってきた。
「さっきそこで教えて貰ったんだが、どうやらこの先の森で高レベルの魔物が出たらしい」
「高レベルの……? それは珍しいですね。どの魔物が出たのか聞いていますか?」
「それがなぁ……。どれもこの辺りにはいなかった魔物でな。名前は……スチュ……パリ……ス? とかシロップ? 何だっけ、シェロップ? だっけか?」
トールの質問に答えたモルガンから出た答えは、予想外の魔物の名前だった。
「もしかして、ステュムパリデスとシェロブですか……?」
ティナが記憶を辿り、似たような魔物の名前を口にする。
「そう、それそれ! 馴染みがない名前だから覚えらんなくってな」