辣腕海運王は政略妻を容赦なく抱き愛でる【極上四天王シリーズ】
 ジェットコースターなどこういった足もとが丸見えの高いところは苦手なので、心臓を跳ねさせて降りようとしたとき、コウさんが乗り込んで外からドアが閉まった。

「ああっ!」

「どうした? 座れよ。揺れるぞ?」

 彼は不思議そうな顔で着席し、仕方なく下を見ないようにしてコウさんの反対側へ腰を下ろした。

「もしかして怖い?」

 思わずコクッとうなずいて、下を見てしまい背筋にぞわっと寒気を覚える。

「まさか、下が丸見えだなんて……」

 ゴンドラは静かに降りていく。

 ところどころ白い雲が浮かぶ青い空と、熱帯雨林の緑のコントラストは素晴らしい。でも、手のひらに嫌な汗を感じている。

「世界最古の熱帯雨林を撮らなくていいのか?」

「て、鉄道で撮ったので……」

 本当のところはやはり写真に収めたい。でも、トートバッグからスマホを出そうとすればうつむくことになって、下が見えてしまう。

 気をまぎらせるためにコウさんの麗しい顔を見ていると、彼はスマホで何枚か景色の写真を撮り始める。

 私は怖すぎて気分が悪くなってきた。

「ほら」

「え?」

 コウさんが手を差し出してくる。

「顔色が悪くなってる。手を握っていれば少しは安心するんじゃないか?」

「あ、ありがとうございます」

 素直にコウさんの節のある男らしい手を握った。

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