辣腕海運王は政略妻を容赦なく抱き愛でる【極上四天王シリーズ】
 彼がいたおかげで、外国人男性のわずらわしさから逃れられたし、観光していても楽しかったし、ゴンドラでは助かった。

 それなのにちゃんとお礼を言えていない……。

 でも同じクルーズ船に乗っているのだから、また会えるはず。

 ソファの上にポスンと腰を下ろして、トートバッグからコアラガーデンズで撮った写真を出した。台紙を開く。

 コウさんと一緒に撮ったからドキドキして、あのときは意識が彼の方へいってしまっていた。

 コアラを抱っこした感激を味わえなかったな……。

 とはいえ、抱っこしている私の顔はうれしそうに写っていて、コウさんも若干ではあるが口もとを緩ませているように見える。

 写真で見てもかっこいい人だ。



 翌日は美しいサンゴ礁や海で遊んでみたくて、ケアンズから高速船で四十五分ほどのところにあるグリーン島ツアーを申し込んでいた。

 ツアー客は比較的若い人が多い。

 船内にはプールがふたつあるが、まだ泳いだことがなく、水着になるのはこの旅で初めてだ。

 ペパーミントグリーンのTシャツとベージュの綿素材のスカートの下に、鮮やかな向日葵色のビキニを身に着け、着替えをトートバッグに入れる。

 シュノーケリングをするので、髪の毛は邪魔にならないようにうしろでひとつに結んできた。

 今日も晴れてよかった。空はブルー一色だ。

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