辣腕海運王は政略妻を容赦なく抱き愛でる【極上四天王シリーズ】
十時三十分に出発のグリーン島へ向かう高速船に乗り込み、たくさんある座席に腰を下ろす前に、コウさんの姿をいつの間にか捜していた。
昨晩の夕食時、レストランでも彼がいないか視線を巡らせてしまった。でも姿は見あたらず、食事を終わらせてぶらりとデッキを歩いて部屋に戻ったのだ。
昨日、ツアーに参加するか聞いておけばよかった。
そこでハッとなる。こんなに会いたいと思うのは、お礼を言うためよ。才賀さん以外の男性に惹かれている場合じゃないもの。
クルーズ船に乗った当初の目的を思い出して、私の口から重いため息が漏れる。
お見合いは失敗している。才賀さんが来ていないことを父は知らないかもしれない。わかっていたら電話かメッセージがくるはずだから。
私のせいじゃないにしても、父の性格であれば日本に戻ったらかなり叱責されるだろう。
お見合い相手は仕事の都合で来られなかったけれど、帰国したら会いましょうなんて手紙に書かれていなかったから、私は別の誰かと政略結婚させられるだろう。
「はぁ~」
「なにため息をついているんだ?」
ふいに真横からコウさんの声が聞こえ、ハッとなって見上げる。彼は口もとを緩ませて、空いていた隣にスッと座った。
数分前にフェリーは動きだしたので、ギリギリで乗船したのだろうか。
「な、なんでもないです」
昨晩の夕食時、レストランでも彼がいないか視線を巡らせてしまった。でも姿は見あたらず、食事を終わらせてぶらりとデッキを歩いて部屋に戻ったのだ。
昨日、ツアーに参加するか聞いておけばよかった。
そこでハッとなる。こんなに会いたいと思うのは、お礼を言うためよ。才賀さん以外の男性に惹かれている場合じゃないもの。
クルーズ船に乗った当初の目的を思い出して、私の口から重いため息が漏れる。
お見合いは失敗している。才賀さんが来ていないことを父は知らないかもしれない。わかっていたら電話かメッセージがくるはずだから。
私のせいじゃないにしても、父の性格であれば日本に戻ったらかなり叱責されるだろう。
お見合い相手は仕事の都合で来られなかったけれど、帰国したら会いましょうなんて手紙に書かれていなかったから、私は別の誰かと政略結婚させられるだろう。
「はぁ~」
「なにため息をついているんだ?」
ふいに真横からコウさんの声が聞こえ、ハッとなって見上げる。彼は口もとを緩ませて、空いていた隣にスッと座った。
数分前にフェリーは動きだしたので、ギリギリで乗船したのだろうか。
「な、なんでもないです」