辣腕海運王は政略妻を容赦なく抱き愛でる【極上四天王シリーズ】
 今夜は寿司を食べる約束をしている。その寿司屋は有料で予約制だが、コウさんがそろそろ寿司を食べたいということで同意したのだ。

 オレンジシャーベット色のサンドレスに着替えて、髪の毛はハーフアップにして軽くメイクした。

 待ち合わせは十八時に寿司屋で、約束の十分前に部屋を出て、エレベーターホールに向かう。

 一歩一歩進むたびに緊張が増してくる。

 会ってすぐに話すわけじゃないんだから、リラックスして。

 ところが、廊下を曲がったところでコウさんとばったり会い、考え事をしていたせいでビクッと肩が跳ねた。

「あっ!」

「そんなに驚かなくても」

 そう言ってコウさんは苦笑いをする。

「す、すみません。考え事をしていたから……。お仕事おつかれさまです」

「ありがとう。早く会議から解放されたかったよ」

 彼はエレベーターのボタンを押した。この時間は乗客たちがいっせいに夕食しに向かうので、なかなかエレベーターはやってこない。私たちのうしろにも数人が待ち始める。

 二分ほど経ってエレベーターのドアが開いた。

「乗ろう」

 ふいにコウさんに手を差し出されて、その手を握り小さな箱の中へ歩を進めた。彼に手を握られるのは慣れてきたはずなのに、鼓動の高鳴りはひどくなる一方だった。

 寿司屋で通されたのはカウンター席で、板前が中にふたりいて寿司を握っている。

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