辣腕海運王は政略妻を容赦なく抱き愛でる【極上四天王シリーズ】
 私の部屋より倍以上広さがあり、まるでホテルのスイートルームの一室のようだ。

「すごい部屋ですね……スイートルーム?」

 壁に沿って三人掛けのソファが配置され、ダイニングテーブル、バーカウンターの近くにもソファセットがある。

 窓際近くにプレジデントデスクが置かれ、その上のノートパソコンは閉じられている。扉のない向こう側の部屋にはキングサイズのベッドが見えた。

「ああ。うちの会社とクルーズ会社の提携話があって、視察も兼ねた部屋を用意してくれたんだ。座って」

 そうだったんだ。やっぱりコウさんは平社員ではなさそう。

 私を三人掛けのソファに座らせたコウさんはバーカウンターに近づき、飲み物を持って戻ってきた。

「レモンのリキュールがあったからソーダで割った。飲みやすいと思う。どうぞ」

 目の前にグラスを置いてくれ、中の氷がカランと音をたてる。

 テーブルを挟んでひとり掛けのソファにコウさんは腰を下ろし、バーで飲んでいたバーボンのような琥珀色の液体の入ったグラスを口にする。

「いただきます……」

 頭はすっきりさせておかなければならないが、勇気が出るほどアルコールは回ってくれていない。

 私がひと口飲むのを、コウさんはまっすぐ見つめている。その視線に息苦しさを覚え、咳払いをひとつしてからグラスをテーブルの上に戻す。

 そして――。

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