辣腕海運王は政略妻を容赦なく抱き愛でる【極上四天王シリーズ】
「自由を謳歌か……。政略結婚をしたとしても、まだまだこれからもっと楽しめるんじゃないか?」

「どうでしょうか……コウさん、あなたがいてくれたから……」

「俺がいたから?」

 漆黒の瞳でまっすぐ見つめられて、頬に熱が集まり始めている。

 でもこの想いは知られちゃだめ。

「は、話は終わりです。私はあなたに嘘をついていたので、帰国まで残りの日数……会わないと言われても納得します。で、では、失礼します」

 ソファからすっくと立ったが、アルコールのせいなのか一歩目で足がふらついた。

「和泉!」

 コウさんの手が私の腕を掴み、支えられる。

「あ、ありがとうござ――」

「君はどうやら恋愛をしたことがないみたいだな」

 彼の口もとが緩やかに上がる。

「そ……そんなこと……」

「和泉。帰国までの十日間、俺と恋愛してみないか?」

 え……?

 聞き間違いなのかと耳を疑い、小さく首を倒してコウさんの目を見つめる。

「俺と恋愛しよう。ここにいる間の限定で」

「こ、コウさんと……恋愛?」

「そうだ。政略結婚をする前に遊んでもいいんじゃないか?」

 帰国後は自由がなくなる。一度も異性と交際したことがないのだ。今後現れる政略結婚の相手に縛られる前に、恋愛してもいいのではないだろうか。

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