ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
 そういえば、別荘でラインハルトがわたしに会うのに恥ずかしがっていたとき、ジークかシュッツが言っていたわよね。

「あなたの息子たちも勇気をもってトライしたのです。あなたにだって出来るはずでしょう?」

 そんなふうに。あのとき、わたしは緊張しまくっていたけれど、なぜかその言葉が耳に残っている。

 なるほど。仕事人としてもレディとしても素晴らしいリタとゾフィは、ジークとシュッツをうまく操っているわけね。

 これが、男性を手玉に取るということなのかしら。
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