【完結】呪われ令嬢、王妃になる
 そう言うと、近くにいたセドリックに合図をしてドアを開けてある人物を呼び込んだ。
 その茶色い髪を靡かせたメイドにシェリーはとても見覚えがあり、そして再会の嬉しさに思わず口元を手で覆って涙をためた。

「アリシアっ!!!」
「お嬢様っ!!!」

 二人はおもむろに駆け寄ると、お互いの熱を確かめ合うように強く抱きしめ合った。
 その様子をジェラルドやセドリックは微笑ましそうに眺める。

「アリシア、どうして」
「陛下が呼んでくださったのです。お嬢様には君が必要だからと」
「ジェラルド様が……」

 シェリーは涙を拭ってジェラルドのほうを向くと、深々とお礼をした。

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