巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。

「うん、分かった。じゃあまずはテオと盗賊達の身柄確保かな?」


「そうですね、では取り敢えず……『我が力の源よ 黒き鎖となり 彼の者を捕らえる戒めとなれ リガートゥル!!』」


 エルが呪文を唱えるとテオと盗賊達の足元に影が現れ、そこから伸びた黒い鎖の形のようなモノがテオ達を拘束する。


「うわぁっ!! な、何だよこれ……!? サ、サラ!! 助けてくれ……!!」


「く……っそ!! 解けねぇぞ……!!」


「何だこれ!? 全然動けねぇ!! お、お頭ー!! 解呪してくれ!!」


 かなり強い力で拘束された盗賊達は半分パニックになっている。闇魔法の使い手であるお頭もこの魔法を解く事は出来ないらしく、悔しそうに唇を噛んでいる。


 私がエルの魔法に感心していると、エルがこっちを振り向いてニッコリと笑うので、「?」と思いつつ、私もニッコリと笑い返すと「サラにお見せできるのはここまでですよ」と言われ、私の視界はまたもや真っ暗になった。


 ──ええー!? エルの奴、私にまで魔法を!? ちょって待てー!!


 ……と、エルに心の中で文句を言いながら、私の意識はまたもや深い眠りに落ちていったのだった。
< 131 / 157 >

この作品をシェア

pagetop