巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
司祭は頭を垂れたまま一言も発さない。まるでエルが許可するのを待っているようで、微動だにしない。
そんな司祭をちらりと見たエルは、司祭に向けて言葉を放つ。
「その法衣はアルムストレイム教の司祭だな。発言を許す。この状況の説明をして貰おう」
いつもは穏やかで心地良い声なのに、凛とした中に迫力がある声で司祭に命令するエルの声を聞いて、初めて聞くはずなのにどこかで聞いた事があるような気がした……って、何処だっけ?
それにいつもは敬語なのに司祭に対しては口調が違うので、何だか別人のようだ。
「──発言の許可をいただき有難うございます。恐れ多くも説明させていただきますと、我々はこの巫女であるサラに幾つか確認したい事がある為、ラキトフ神殿の司教のもとへ向かう途中でございました」
エルに発言の許可を貰った司祭は簡潔に説明するけれど、そこに私が拒否した事は含まれていなかった。まるで私が同行に応じたような言い方ではないか。
「……なるほど。それでは聞くがそれは同意の上か? まさか無理矢理ではあるまいな?」