巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
世の中には色んなルートが有るってお爺ちゃんが言っていたけれど、これは俗に言うお友達ルートだ。
エルに対する恋心を友情へと昇華すれば、きっと大親友に……!
「エル、今からでも女性になれない?」
「真面目な顔して何言っているんですか貴女は」
……なれませんでした。
(まあ、もう王太子になろうってとこまで来ているんだもんね。今更無理なのは分かっているけれど……)
でもそうなると、私の恋心は何処へ行くのだろう。まさか初恋がこんな形で終わるとは予想だにしていなかった。人生ままならないものだ。
「まさか質問はそれだけですか?」
しばらく黙っていた私にエルが声を掛ける。つい考え込んでしまっていたようだ。
「じゃあ、エルはどうやって孤児院が困っているって知ったの?」
エルがこの孤児院を知っていたことが驚きだ。こんな王都から離れた小さな街の孤児院に、王太子が直接援助してくれるなんて普通は思いも寄らないだろう。この点は私を拉致した司祭と同意見だ。
「貴女がとても困っている、と教えてくれた人物がいましてね。この孤児院の窮状を説明して貰ったんです」