巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
色んな出来事があってすっかり忘れていたけれど、エルにハンカチを渡そうとしたら何故か朝だった事を思い出す。
「そう言えば! あの時何があったの!? エルにハンカチを渡した後の記憶がないんだけど!」
起きた時ハンカチが無かったから、ちゃんとエルに渡せたとは思っていたけれど、それからしばらくエルが来なくて……エリーさんから廃神殿の話を聞いたんだっけ。
「それは……」
エルが戸惑ったように言葉を詰まらせる。そんなに言い難い事があったのだろうかと不安になってくる。
「……っ! そんな不安そうな顔をしないで下さい。あの時の事は僕にもよく分からなくて、どう説明すれば良いのか……」
未だに私を抱きしめていたエルの手が、私の背中をポンポンとあやすように優しく叩いてくれる。それがあまりにも気持ち良すぎて、気を抜いたら眠ってしまいそうだ。
流石にこのままの体勢だとヤバいかもしれない。
とっても名残惜しいけれど、そろそろ身体を離した方が良いかもしれないな、と思って身を捩ると、それに気づいたエルが抱きしめる腕に力を込めた。